“紅染”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くれなゐぞ33.3%
べにぞ33.3%
べにぞめ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
犬に追はれた家室さんは忽ち野干やかんとなつてまがきの上に乘つてゐる。紅染くれなゐぞめのを着て、裳裾もすそをひいて遊んでゐる妻の容姿すがたは、狐といへど窈窕ようちようとしてゐたので、夫は去りゆく妻を戀ひしたつて
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
これはちょうど榕樹あこうの陰に、幼な児を抱いていたのですが、その葉にうしろさえぎられたせいか、紅染べにぞめの単衣ひとえを着た姿が、夕明りに浮んで見えたものです。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いそがしぶる乙女おとめのなまじいに紅染べにぞめのゆもじしたるもおかしきに、いとかわゆき小女のかね黒々とそめぬるものおおきも、むかしかたぎの残れるなるべしとおぼしくてなり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)