“紅玉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ルビー35.3%
ルビイ15.7%
こうぎよく15.7%
こうぎょく13.7%
あかだま3.9%
リユビイ3.9%
エルビー2.0%
かうぎよく2.0%
べにだま2.0%
カルブンクルス2.0%
ルビ2.0%
ルビィ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして金と銀とで全体ができて、いろ/\の宝石、ダイヤモンド、紅玉ルビー碧玉サフアイヤ、エメラルドなどでかざつて、ぴか/\光つてをりました。
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
見てからといふものは私の羞耻はにかみに滿ちた幼い心臟は紅玉ルビイ入の小さな時計でも懷中ふところかくしてゐるやうに何時となく幽かに顫へ初めた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
二三日にさんにちつて、とんさんにはなしをした。ちやう其日そのひおな白樺しらかば社中しやちうで、御存ごぞんじの名歌集めいかしふ紅玉こうぎよく』の著者ちよしや木下利玄きのしたりげんさんが連立つれだつてえてた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひだのある桃色の裳袴もばかまには銀モールの縁繍ふちぬいが取ってあり、耳環みみわ翡翠ひすいはともかく、首飾りの紅玉こうぎょくやら金腕環きんうでわなど、どこか中央亜細亜アジアの輸入風俗の香がつよい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紅玉あかだまのやうな薔薇ばらの花、顏の黒ずんだひたひに咲く薔薇ばらの花、紅玉あかだまのやうな薔薇ばらの花、おまへは帶の締緒しめをの玉にすぎない、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
暖炉シユミネの火が灰がちな下に昨夜ゆうべ名残なごり紅玉リユビイの様なあかりを美しく保つては居るが、少しもあたゝかく無いので寝巻のまゝ楊枝やうじつかつて居た手を休めて火箸で掻廻すと
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それにしても本当に紅玉エルビーという女は、何んという不思議な女であろう。そういう女に逢ったということは、なんという私の不運であろう
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
黄色い、黒ずんだ紅玉かうぎよくの色の、花やかな桃色の、青い白いが水に泳いで居る。窓から引いた光と船から引いた光とがまじつて縦横たてよこに縞を作つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
わけて紅玉べにだまを溶かしたような葡萄酒ぶどうしゅ愛飲あいいんし、時々、菓子器に盛ってある南蛮菓子を取っては食べ、かつ語るのであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東方驚奇編ミラビリア・デスクリプタ』にいわく、エチオピアに竜多く、頭に紅玉カルブンクルスいただき、金沙中に棲み、非常の大きさに成長し、口から烟状の毒臭気を吐く、定期に相集まり翼を生じ空を飛ぶ。
羊の皮の手ざはりに金の箔押すわがこころ、思ひあがればある時は、紅玉ルビサフアイヤ、緑玉エメラルド金剛石ダイヤモンドをもちりばめむとする、何んといふかなしさぞや、るりいろ空に花咲かば忘れなぐさと思ふべし。
「わすれなぐさ」はしがき (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
湖の小波さざなみが誘うように、雪なす足の指の、ぶるぶると震えるのが見えて、肩も袖も、その尾花になびく。……手につまさぐるのは、真紅のいばらの実で、そのつらな紅玉ルビィが、手首に珊瑚さんご珠数じゅずに見えた。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)