“いな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イナ
語句割合
80.0%
5.3%
伊那4.2%
1.7%
伊奈1.3%
0.8%
0.8%
0.8%
小鯔0.4%
小鰡0.4%
0.4%
0.2%
不欲0.2%
0.2%
0.2%
否定0.2%
如何0.2%
居無0.2%
居馴0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
猪名0.2%
0.2%
辞退0.2%
0.2%
鋳成0.2%
韋那0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔年、彼が犯罪界の王としてまた巴里パリーにおいて最も有名な人物として、彼はしばしば多くの讃辞やまたは謝辞、いな恋文さえ受取った。
強ての頼みをいなみ難く、態々迎ひに来たと語るのであつたが、然し一言もお定に対して小言がましい事は言はなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ねえ、北原さん、あなたのお国は、やはりこの信州の伊那いなだとおっしゃいましたが、あちらのお話をお聞かせ下さいませ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
天皇初め天つ日繼知らしめさむとせし時に、いなびまして、詔りたまひしく「我は長き病しあれば、日繼をえ知らさじ」と詔りたまひき。
伊奈いな半十郎の配下が、舟番所から見張っている。五本の釣竿つりざおで、わいわいと騒いでいるからすぐ見つかる。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヂュリ さ、はやいなしゃれ、わしいなぬほどに。……こりゃなんぢゃ? 戀人こひゞとにぎりゃったはさかづきか? さてはどくんで非業ひごふ最期さいごをおやったのぢゃな。
獲ものゝ魚はいなであることは、この魚特有の精力的ななまぐさいにおいが近づくまえに鼻をうつので知られました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「第十、いなむらの火。これは、ただごとでないと、つぶやきながら、五兵衛ごへえは家からきた……」
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
京橋築地の土佐堀では小鯔いなが多く捕れるというので、ある大工が夜網に行くと、すばらしい大鯔おおぼらが網にかかった。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こいは、「三日に一本」と、相場の極ツてる通り、あぶれることも多いし、きす小鱸せいご黒鯛かいず小鰡いな、何れも、餌つきの期間が短いとか、合せが六ヶむつかしいとか、船で無ければやれないとか
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
あえ霓裳げいしょうきょくを数えんやいな
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
阿那律すなわち入りて結跏趺坐し、繋念して前に在り。寡婦衆人の眠れる後に語りて言う、大徳我の相むかえる所以の意を知れるやいなやと。答えて言う、姉妹よ汝が意は正に福徳に在るべしと。
神さぶと不欲いなにはあらずやや多く斯くして後に佐夫之サブシけむかも (巻四。七六二)
『さびし』の伝統 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
何と気を変えたか、宗匠、今夜は大いにいなって、印半纏しるしばんてんに三尺帯、但し繻珍しゅちん莨入たばこいれ象牙ぞうげの筒で、内々そのお人品ひとがらな処を見せてござる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
陸近くがぢかなれば憂慮きづかいもなく、ただ景色のさに、ああまで恐ろしかったばばの家、巨刹おおでらやぶがそこと思うなだを、いつ漕ぎ抜けたか忘れていたのに、何を考え出して、また今のいなな年寄。……
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「では今でも君はそういうことがあると思っているのかい。」そういう客に、私は頭を振って見せ、これを否定いなんだ。
天狗 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
また如何いな目醒めざましき奮鬪ふんとうをなすやはおほ必要ひつえうもあるまいとかんがへる。
第一に目を附け可き所は殺された男が一ツも所持品を持て居無いない一条です
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
それでずるずるにやっぱり居馴いなれた喜久井町の家に腐れ着いていたのだ。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
私はいながらその残賊を視るに忍びないので、かくは旅窓に一文を草したのは、この峡谷の森林を管轄する位置に立てる当局者と、森林の興亡を念とせらるる国人に向って
上高地風景保護論 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
気の早い連中で、モウ棺箱をいない込んで来ている模様です。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
劉備は強いていなまなかった。そこで三名は、鼎座ていざして、将来の理想をのべ、刎頸ふんけいちかいいをかため、やがて壇をさがって桃下の卓を囲んだ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しなが鳥」は猪名いなにつづく枕詞で、しなが鳥即ち鳰鳥におどりが、居並いならぶのとが同音であるから、猪名の枕詞になった。猪名野は摂津、今の豊能川辺両郡にわたった、猪名川流域の平野である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
其間そのひまに、わし消息しらせで、ロミオがこの計畫けいくわくり、おことめさッしゃるまへに、此方こちることとならう。わし共々とも/″\目覺めさめまでばんをして、其夜そのようちにロミオがおことをばマンチュアへれていなう。
このお嬢さんにこの眼で凝と見すえられたら、それがどんなに危険な恐しい命令であったとしても、到底私には辞退いなめないかも知れない。考えてみるとちょっと恐しいような気もする。
妖影 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
二年前両親にいなれ、いと心細く世を送れる独身者なり、彼は性質素直にして謹み深く、余の壮年のごとく夜遊びもせず、いたずらなる情人も作らず、家に伝わる一畝の田を旦暮たんぼに耕しくさぎ
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
我執の寒風に吹き結ばせし氷を我ぞと着すれば、熱湯は即仇たるべく、実相の金山こんざんより半畚はんぽんの資を齎し来りて、愛慾の毒火に鋳成いなせし鼠を己なりと思はんには、猫像めうざう或はかたきたるベけれど
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そのホノホの王は志比陀の君の祖先、ヱハの王は韋那いなの君・多治比の君の祖先です。
伴「馬鹿な事をおっしゃい、川で鰹が釣れますものかね、たか/″\いなたなごぐらいのものでございましょう、兎も角もいらっしゃるならばお供をいたしましょう」