“象牙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぞうげ90.8%
ざうげ9.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十三絃じゅうさんげんを南部の菖蒲形しょうぶがたに張って、象牙ぞうげに置いた蒔絵まきえした気高けだかしと思う数奇すきたぬ。宗近君はただ漫然といているばかりである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先祖は十八大通じゅうはちだいつうといわれた江戸の富豪で、また風流人の家筋に当り、三月の雛祭ひなまつりには昔の遺物の象牙ぞうげ作りの雛人形が並べられた。
蝙蝠 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ばんだ象牙ざうげひたひ薔薇ばらの花、自分で自分を愛してゐる黄ばんだ象牙ざうげひたひ薔薇ばらの花、處女をとめよる祕密ひみつをお話し、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
土産みやげにこんなものをつてました。蒙古刀もうこたうださうです」とひながら、すぐいてせた。うしろしてあつた象牙ざうげやうぼうも二ほんいてせた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)