『天狗（てんぐ）』

城下の町なみは、古い樹木に囲まれていたため、よく、小間使いや女中、火の見仲間などが、夕方近い、うす暗がりのなかで、膝がしらを斬られた。何か小石のようなものに躓ずいたような気がすると、新月がたの、きれ傷が、よく白い脛に紅い血を走らせた。それは …

著者	室生犀星
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「現代」1922（大正11）年12月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約8分（500文字/分）
朗読目安時間	約12分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

必（き） 微笑（わら） 丈（だけ） 噂（うわ） 躓（つま） 殖（ふや） 遠吼（とおぼ） 否定（いな） 矮（ちいさ） 跼（しゃが） 既（も） 癒（なお） 椎（しい） 盾衝（たてつ） 社（やしろ） 祠（ほこら） 脛（すね） 蝕（むしば） 詣（まい） 辷（すべ） 迅（はや） 鎌鼬（かまいたち） 霊顕（れいげん） 饒舌（しゃべ） 性（しょう） 何処（どこ） 何時（いつ） 併（しか） 供米（くまい） 唸（うな） 堂宇（どうう） 塀庇（へいびさし） 対（むか） 痴（し） 憑（つ） 掠（かす） 攀（よ） 晩方（ばんがた） 最（も） 殆（ほとん） 煤皺（すすしわ）

題名が同じ作品

天狗 （新字新仮名）／ 太宰治 （著）