“唸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うな86.9%
うめ9.1%
うなり2.7%
うむ0.2%
つぶ0.2%
な0.2%
なげ0.2%
ほ0.2%
ウナ0.2%
ウメ0.2%
ツブヤ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「田町の大澤彦四郎といふ、工面(くめん)の良い浪人者が、軒下に唸(うな)つてゐる急病人を助けたばかりに、危なく殺されかけたといふ話ですよ」
戸を犇(ひしめ)かして、男は打ち僵(たお)れぬ。朱(あけ)に染みたるわが手を見つつ、重傷(いたで)に唸(うめ)く声を聞ける白糸は、戸口に立ち竦(すく)みて、わなわなと顫(ふる)いぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見ていると、獣のようにこの城のはなから悲しい唸(うなり)声を出してみたいような気になるのも同じであった。息苦しいほど妙なものに思えた。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
ガラツ八は唸(うむ)りました。あまりにも明かな推理です。
「まだかな」先刻(さっき)から焦々(いらいら)して居る辰爺さんが大声に唸(つぶ)やく。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
土は枇杷(びは)いろ 蝿(はへ)が唸(な)く。
しかもわれはこの経過を唸(なげ)かず哀(かな)しまざるなり。われはこの損失を償いて余りある者を得たり。すなわちわれは思想なき児童の時と異なり、今は自然を観ることを学びたり。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
暗いなかで獣の唸(ほ)える声がけたたましく聞えた。同時にここへ駈けてくる草履の音が聞えた。
半七捕物帳:23 鬼娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
風が唸(ウナ)つて過ぎたと思ふと、其高い隙(スキ)から、どつと吹き込んで来た。ばら/″\落ちかゝるのは、煤(スス)がこぼれるのだらう。明王の前の灯が、一時(イツトキ)かつと明るくなつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その唸(ウメ)き声のとほり、彼(カ)の人の骸(ムクロ)は、まるでだゞをこねる赤子のように、足もあがゞに、身あがきをば、くり返して居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
来診を報知(シ)らせる電鈴(ベル)がその時鳴つた、「夜遅く………」と唸(ツブヤ)きながら父は立つて行つた。
耕二のこと (新字旧仮名) / 中原中也(著)