“饒舌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃべ42.6%
じょうぜつ25.9%
しやべ9.4%
しゃべり6.6%
おしゃべり6.0%
ぜうぜつ3.0%
おしやべり2.1%
しやべり1.9%
にょうぜつ0.6%
しゃべる0.4%
しゃべく0.2%
しゃべっ0.2%
しや0.2%
しやべつ0.2%
じゃべり0.2%
ぜうせつ0.2%
ちゃべ0.2%
ぢやうぜつ0.2%
スピイク0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「その御心配なら絶対に御無用に願いたいものです。患家の秘密を無暗むやみ他所よそ饒舌しゃべるようでは医師の商売は立ち行きませんからね」
霊感! (新字新仮名) / 夢野久作(著)
このお駒ちゃんにだけはこんなに打ちとけて饒舌じょうぜつになるばかりか、親切も親切だし、何かと真剣にためを思う気くばりをみせるのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「へえ。併しイワンはどうして遣りませう。」己はチモフエイに十分饒舌しやべらせた跡で、本問題に帰つて貰はうと思つて、かう云つた。
黄昏、時々お饒舌しゃべりな雲が速歩はやあしで窓を通つて行くのですが、私の胃の腑にも柔かな饒舌が其の時うとうとと居睡りに耽つてゐるのです。
帆影 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
恐ろしい饒舌おしゃべりに似ず、急に田螺たにしのように黙りこんでしまいます。この上聴いたところで、もう大した収穫もありそうにも思われません。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
平次もお萬の饒舌ぜうぜつには、お禮を言ひたい程でした。中年女の舌を活溌に動かせる動機が何んであらうと、それは問題外として。
其處へ饒舌おしやべりの叔母が子供達と共に泊りに來たのが、今朝も信吾は其叔母に捉まつて出懸けかねた。吉野は昌作を伴れて出懸けた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
映画に出て来る人間が物を云つてれたら、こんなに忘れる事はあるまいとも考へて見る。自分がお饒舌しやべりだからでもあるまいが。
拊掌談 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
満腹の饒舌にょうぜつろうして、あくまでこの調子を破ろうとする親方は、早く一微塵いちみじんとなって、怡々いいたる春光しゅんこううちに浮遊している。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何にも知らないからし、老婆ばばあも、我等おれらと一所に働いた奴だ。人に悪事は饒舌しゃべるまい。惜くも無し、心配も無いが、高田の業突張ごうつくばり、大層怒ってな。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女はまだ饒舌しゃべくっていたのであったか、それとも沈黙していたかは判然はっきりしないが、何でも、おれはピストルを持ったままつかつかと女の方へ行って、手首を彼女の額の高さにまであげて引金をひくと
ピストルの蠱惑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
ソレもいよ/\官途に気がないとならば田舎にでも引込ひっこんで仕舞しまえばいに、都会の真中に居てかも多くの人に交際して、口も達者に筆もまめに、洒蛙々々しゃあしゃあ饒舌しゃべったりかいたりするから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
薄紅うすべにをさして居るのが一層ひときはいやらしく見える、が、一更いつこうすましたもので、其だるい京訛きやうなまりを大声で饒舌しやべつて居る、勿論えず煙草たばこはすつて居るので。
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
何だよお前今頃に帰つて来て、何を面白さうに独りで饒舌しやべつてるんだ。もうくに最終しまい汽車は通つてしまつたよ。早く這入つておしまひな。馬鹿馬鹿しい、近所合壁へも聞こえるや。
磯馴松 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
鋭い声の、あれが泣饒舌じゃべりと云うのかも知れませんね。
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
そこで自分はいささかそれらの士と共に、真贋の差別にわづらはされない清興せいきやうの存在を主張したかつたから、ここにわざわざ以上の饒舌ぜうせつを活字にする事をあへてした。
鑑定 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
せな「アレまア、われせえ云わなければ知れる気遣きづけえねえから云うじゃアねえよと、おら口止くちどめして、自分からおッ饒舌ちゃべるって、なんてえこった」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつも黙って鞄を拡げて、眠そうにハッチの端に腰かけていさえすればあとは品物自身が饒舌スピイクして面白いように売れて往った。ほんとに面白いように売れていった。