“弄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もてあそ42.9%
ろう28.1%
いじ9.6%
なぶ6.5%
いぢ3.2%
いじく1.5%
いぢく1.1%
もてあ1.0%
なぐさ0.7%
ひね0.6%
まさぐ0.6%
いら0.5%
から0.5%
からか0.5%
せせ0.4%
あそ0.2%
いろ0.2%
もてあそば0.2%
ロウ0.2%
もじやく0.1%
あてあそ0.1%
いぢり0.1%
おも0.1%
おもちゃ0.1%
0.1%
ひねく0.1%
もじや0.1%
もて0.1%
もてあす0.1%
もてあそん0.1%
モテアソ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身も魂も投げ出して追憶の甘きうれいにふけりたいというはかない慰藉なぐさめもてあそぶようになってから、私は私にいつもこう尋ねるのであった。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
それは怖るべき広長舌をろうするこのお喋り坊主が、ただ、「はい」だけで食いとまったことこそ、今までの中での最大驚異に価する。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、再びぞろぞろと裏へ来て見ると、炭焼の作兵衛は、その跫音にも気づかずに、三番竈の目塗りをしきりにいじっている様子なので
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義男は斯う云つて、いつも生きものを半分なぶり殺しにしてその儘抛つておく樣なこのみのるの、ぬら/\した感情を厭はしく思つた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
みのるが頻りに髮をいぢり初めたのもその頃であつた。みのるは一日置きのやうに池の端の髮結のところまで髮を結にゆく癖がついた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
幸雄は手の先については非常に潔癖で、一寸木の枝をいじくっただけでも石鹸で洗った。足の方になるとそれが信じられないほど平気であった。
牡丹 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
其麽時は、孝子は用もない帳簿などをいぢくつて、人後ひとあとまでのこつた。月給を貰つた爲めに怡々いそ/\して早く歸るなどと、思はれたくなかつたのだ。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それは生来うまれつきの低脳者で、七歳ななつになる時に燐寸マツチもてあそんで、自分のうちに火をつけて、ドン/\燃え出すのを手を打つて喜んでゐたといふ児ですが
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、眼を血走らせているのは袁彦道えんげんどうの胴元、盆蓙ぼんござの周りには、十四、五人の男が、同じように、生唾なまつばを呑んで、よからぬなぐさみに夢中のてい
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侯爵は嬉しさうににこ/\して「ほゝう、これは又面白い出来ぢやの、成程俵形で……」と皺くちやな掌面てのひらひねくり廻して悦に入つてゐる。
満枝はさすがあやまちを悔いたる風情ふぜいにて、やをら左のたもとひざ掻載かきのせ、牡丹ぼたんつぼみの如くそろへる紅絹裏もみうらふりまさぐりつつ、彼のとがめおそるる目遣めづかひしてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はふといらってみる気になって、人差指で姪の臍の頭をソッと押してみた。指さきは何の支えも感じずに直ぐ一節ひとふしほど臍の中に隠された。
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
お力も何處となく懷かしく思ふかして三日見えねば文をやるほどの樣子を、朋輩の女子ども岡燒ながらからかひては、力ちやんお樂しみであらうね、男振はよし氣前はよし
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ちょいと、こぼしたの。やっぱり悪戯いたずらな小僧さん? 犬にばっかりからかっているんでしょう、私ンとこのも同一おんなじよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「まだお帰りになりませんか。どこか心当りはありますまいかね。」男は楊枝ようじで口をせせりながら、奥をのぞき込んで、晩飯を食べている三人の方へ声をかけた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あくまで浮世のなみあそばれて、深く深く不遇の淵底えんていに沈み、果ては運命のはかるべからざるうらみに泣きて、煩悶はんもんついに死の安慰を得べく覚悟したりしそののちの妾に比して、人格の上の差異如何いかばかりぞや
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「ふうん、脱疽云うたら、そんなに痛いもんかいな。———やっぱり耳をいろうたのが原因でそないなったんやろか」
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
怪我けがをした我が児でも見まもるように、手から手へ、渡されて、冷侮の眼にもてあそばれてゆく愛刀の方を眺めた儘、茫然としていたが、突然側にいた環が、何かさけんで
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ショウメグッテ青梅セイバイロウス……
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
美顔術師は掌面てのひらでパラピンのやうに夫人の顔をもじやくつてゐたが、暫くすると、見違へる程美しくなつた。
というよりは、うつつに、おうぎはかまの前であてあそびながら、そらうそぶいていたといったほうが近い。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分は宿のバルコンをおほうた蔦紅葉つたもみぢを写生する気に成つて絵の具いぢりをして居たので観にかなかつたが、観て来た良人をつとその博覧会の実質に富んだ事をめて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「おこよをおもちゃにしようとして、狙っている様子でしたから、いっそのことと思って——。」
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
どんなにか、おもちゃにして、可愛がって見たらば面白かろうかと思った。それに連れて、或る時に読んだ文明人が野蛮人の女を、野獣をおもちゃにするようにして、可愛がっている話を思い浮かべた。
土淵村にての日記 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
葉子は一人ひとりの男をしっかりと自分の把持はじの中に置いて、それがねこねずみでもぶるように、勝手にぶって楽しむのをやめる事ができなかったと同時に、時々は木村の顔を一目見たばかりで
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それにると、山下氏はいつも漢詩をひねくつてゐる位だから、そんな間違はない筈だといふのである。山下氏が漢詩人だとは初耳で、結構な事である。
「さやう、一日に六ドルでしたかな。」と、玉蜀黍の好きな代議士は、皿に残つた今一本の好物をもじやくりながら返事した。
今まで後姿うしろすがたながめて物陰にいた時は、彼女を包む一色ひといろの目立たないコートと、その背の高さと、大きな廂髪ひさしがみとを材料に、想像の国でむしろ自由過ぎる結論をもてあそんだのだが
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お勢カズン芸娼妓げいしょうぎの如くもてあすぼうが」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
筆の先に文字のたくみもてあそんだところで、到底読者の感興を促し得るものでない。
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
一、酒ニミダレ火ヲモテアソブ者ハ斬
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)