“良人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おっと64.9%
をつと7.5%
つま4.0%
うち3.6%
おつと3.5%
やど2.6%
うちのひと2.2%
ひと2.0%
りょうじん1.8%
たく1.8%
あなた0.8%
つれあい0.7%
うちの0.7%
あんた0.5%
ていしゅ0.5%
あのひと0.3%
おやじ0.3%
しゅじん0.3%
つれあひ0.3%
マリ0.2%
おつれあい0.2%
さき0.2%
つれやい0.2%
ていし0.2%
ていしゆ0.2%
りやうじん0.2%
りようじん0.2%
をっと0.2%
ハズバンド0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
結婚式の夜、茶の間で良人おっとは私が堅くなってやっとれてあげた番茶をおいしそうに一口飲んでから、茶碗を膝に置いて云いました。
扉の彼方へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鏡子は気にかゝ良人をつとの金策の話を此人にするのに、今日けふだ余り早すぎると下臆病したおくびやうな心が思はせるので、それは心にしまつて居た。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
わが良人つまが、わたくしをめとる時には、お母様へのお手紙を、わざと忘れ落したふりして、わたくしの心をうごかしたのでございますよ。
日本名婦伝:太閤夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに良人うちがあの通りの男で、自分一人さえ好けりゃ女房なんかどうなったって、おれの知った事じゃないって顔をしているんだから。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なに下品げひんそだつたからとて良人おつとてぬことはあるまい、ことにおまへのやうな別品べつぴんさむではあり、一そくとびにたま輿こしにもれさうなもの
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
先日も良人やどが米国の料理学校の試験問題を伺って私に委しく話しましたが私はナゼ娘の時代にそういう事を試験してもらわなかったろう
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
お前でもいないと良人うちのひとが困るからよ、お父さんへは私がお詫をするから、長さんマアちゃんとお坐んなさいよ、何うしたのだねえ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
生憎あいにく、うちの良人ひとも、小荷駄衆のお侍から出頭しろといわれて、夕方、酒匂のお役所まで行きましたが、もう間もなく戻りましょう』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唯の夫婦でも強い細君は弱い良人りょうじんの鼻綱を取る。家庭生活も優勝劣敗を免れない。主人は外へ出て稼ぐ丈け歩が好いようなものゝ
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「道理でこの頃、良人たく容子ようすが変だと思いました。夜もたびたび遅く帰るし、私には、不機嫌ですし……」と、さめざめと泣いた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何とでござんす良人あなたと、この頃の信用恢復に、鼻もたかだかさし付くるつもりなりしに、青菜に塩のそれならぬ、生素麺に水の奇特。
今様夫婦気質 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
なに、こんな山家で学問なんぞをと申しますけれど、死んだ良人つれあいが、この子はぜひ世間に出してやりたいと申しておりましたものですから
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
何だとさ、学校じゃあ、みんながもう良人うちのに、(ちょいとこさ)と謂う渾名あだなを附けて、蔭じゃあ、そうとほか言わないそうだよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いえな、内じゃ芸妓屋げいこやさんへ出前ばかりがおもですから、ごらんの通りゆっくりじゃえな。ほんにお師匠さんいお声ですな。なあ、良人あんた。」と、横顔で亭主を流眄ながしめ
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを思出おもいでにして、後生だから断念あきらめておくれ。神月は私の良人ていしゅだったと、人にいっても差支えはない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうかすると突然だしぬけに『この眼は良人あのひとの眼付に似ている。口元といい、頭の恰好といい、そっくりだ』
二人の母親 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「あすこも近ごろは身上しんしょうを作ったそうで、良人おやじからお庄をくれてやろうかなんて言ってよこしましたけれど、私は返事もしましねえ。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「奥様、あなたはご良人しゅじんといつ頃結婚なさいましたな?」
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
歿なくなられた良人つれあひから懇々くれぐれも頼まれた秘蔵の秘蔵の一人子ひとりつこ、それを瞞しておのれが懲役に遣つたのだ。此方このほうを女とあなどつてさやうな不埒ふらちを致したか。長刀なぎなたの一手も心得てゐるぞよ。恐入つたか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昔、あなたの家のお祖父さまが、あなたの良人マリに仰しやつたのです。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
あゝ是もみんな罰ではないかと身体のきかない時には、ほんに其の後悔というものが出て来るものでのうお賤、して此のお方はお前の良人おつれあいかえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私ゃお祖父さんのことばかり考えて、別に何にも良人さきの事は思わないもんだから、ちょいと見たばかりで、ずんずん葛籠つづらなかへしまいこんで打棄うっちゃっといたわ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女「はい、貴方に対しては誠に済みませんが、私の良人つれやいでございますよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
不可いけねえや、おめえ良人ていしがあるんなら、おいら一所に死ぬのは厭だぜ。じゃあ、おい勝手にしねえ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
證據に私しの所業しわざなりと云るゝとや血眼ちまなこになりて言けるにぞおくめ良人ていしゆ押止おしとゞめ今此處にて爭ひしとてせん方なき事なり我等も了簡れうけんあれば出る處へ出て屹度きつとたゞすべしと言置いひおき家主相長屋の者へも我等所存しよぞんあれば今晩の始末委細ゐさいに御奉行へ訴へ出る間かみより御沙汰さたある迄はお菊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
良人りやうじん久米正雄くめまさをならずとも、おもはず微苦笑びくせうせずにはゐられない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
或時、義雄が見舞ひに行くと、お鳥は隣りの寢臺ねだいの、「わたしの良人りようじんは教育家です」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
朝子は、子供の顔を黙ってみてゐたが、そのまゝ良人をっとのあとからついて出た。
秋は淋しい (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
だって、考えてみれば、わたしたちが女学校でならった英語には、ファーザーとか良人ハズバンドとか云う言葉はたしかにあったけれど、その父や良人を
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)