“身上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんしょう43.9%
しんしやう33.8%
しんじょう7.2%
みのうえ4.6%
しんじやう2.6%
みのうへ2.3%
みじょう2.0%
しんしょ1.0%
しんじよう0.7%
しんしよ0.7%
みあが0.7%
みそら0.3%
シンシヤウ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お雪ちゃん、お前の前だけれども、女というものは、なんのかんのと言うけれど、つまるところは面だけが身上しんしょうじゃねえのかなあ——
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「親分の思ひものだが、全く良い女でしたよ、あれが手一杯に働けるところに居ると、一生のうちに良い身上しんしやうを六つ七つ潰しますね」
身上しんじょうはなかなかえいそうだけれど、あれもやっぱりかわいそうさ。お前にそうして子どもをつれてゆかれたら、どんな気がするか
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ようや身上みのうえの相談をして、お照は宅へ帰って、得心の上武田重二郎を養子にした処が、お照は振って/\振りぬいて同衾ひとつねをしません。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お房は思切ツていけぞんざいな語調てうしで、「へツ、其様な人に思遣があツて耐るかえ。此のうへ飮まれたんじや、無けなし身上しんじやうみつぶしだア!」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
惜福は自己一身にかゝることで、聊か消極的の傾があるが、分福は他人の身上みのうへにもかゝることで、おのづから積極的の觀がある。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
亥「今まで身上みじょうが悪いから菓子屋も茶屋も貸さねえ、仕方がねえから旦那の所へ来たが、玄関の所へ来て這入り切れねえ……旦那済みませんが貸して下せい」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしはな、なあ婿さんや、裸一貫で今の身上しんしょをきずき上げた男だが、それにはまあ、色んな手を使ったものさ。
そのかぞへざりし奇遇とゆめみざりし差別しやべつとは、咄々とつとつ、相携へて二人の身上しんじようせまれるなり。女気をんなぎもろき涙ははや宮の目に湿うるほひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「あそこの家ぢや、足の裏にあざのある赤ん坊が生れたさうだ。おめでたいことぢやないかね。今にいい身上しんしよになるに違ひない。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
身上みあがりをしたり、聞けば他で以て高利を借りて、それも是れもまア稼人かせぎにんのこったから私は何にも云いませんけれども、考えて御覧なさい、私はぎょくをいくら取りそこなったか知れやしない
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
散々さんざん苦労くろうばかりかけて、んのむくゆるところもなく、わか身上みそらで、先立さきだってこちらへ引越ひきこしてしまった親不孝おやふこうつみ、こればかりはまったられるようなおもいがするのでした。
吉之丞の義平次、することはよいが、身上シンシヤウの道化敵になるまいとの努力が、ちつとも愛嬌のない悪年寄にしてしまつた。
見ものは合邦辻 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)