“散々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さんざん37.7%
ちりぢり30.0%
さん/″\15.4%
さんざ8.5%
ちり/″\4.6%
さんざっ1.5%
ちら/\0.8%
ぢりぢり0.8%
ばらばら0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君太夫が散々さんざん「武家出」と云っていたが、怪しいと思って、茶の手前をみると、通仙の娘である。貞柳の友人の子だから上手である。
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
一門は散々ちりぢりだし、義朝様始め、その後、縁につながる奴等は、毎日のように河原で首斬られるし——いやもう生きた空はなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
などと、わかいものが其處そこへぞろ/\た。で、はなしわらひながらつたへると、馬鹿笑ばかわらひの高笑たかわらひで、散々さん/″\ひやかしつける。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それから順吉もつれて来て頂戴よ。あの子には散々さんざ苦労をさせて来たから、一日ゆっくり遊ばしてやりましょうよ」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼に喧嘩を吹きかけられた対手は見物が次第に散々ちり/″\になっても、そこを動こうともせず、やがてツカ/\と石子の傍へ近寄った。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
ずっと前に一度オブラーコの酒場レストランへ遊びに来て、散々さんざっパラ水兵たちにオモチャにされて外に突き出された、大きないやらしい黒ん坊の声だったんですもの。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ひそめてうかゞひ居たりしにやゝ夜の子刻こゝのつころとも覺しき頃散々ちら/\と火のひかりえたりしが忽ちきえし故彌々いよ/\心をしづめてうかゞひたればたばこの火にやありけん折々をり/\えてはきえるにぞ是は曲者にうたがひなしとすぐに供の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
東西へ散々ぢりぢりになる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
姫はたおれながらに、ひらりとことを持ってそれをうけている、ことは斜めに切れて、箏柱ことじ散々ばらばらにはずれてそこらに飛び乱れ、不思議にもそのきられた十三本のいとの先が皆小蛇ちいさなへびになって
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)