“生憎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいにく93.0%
あやにく4.4%
あひにく1.7%
あいに0.6%
なまいき0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かう云ふ問題が出たのですが、実を云ふと、わたし生憎あいにくこの問題に大分だいぶ関係のありさうな岩野泡鳴いはのはうめい氏の論文なるものを読んでゐません。
時に兄の利吒りた托鉢たくはつなしてを得んと城中まちに入りしが、生憎あやにく布施するものもなかりければ空鉢くうはつをもてかえらんとしけるが、みちにて弟に行遇ゆきあひたり。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
談話はなしが済むと、どんな人でもがついお鳥目てうもくをはずみたくなるものだが、生憎あひにくな事にモツアルトはその折懐中ふところに少しも持合せてゐなかつた。
田中が郵便局へ息を切らしてついた時には生憎あいにく、町の労働者風の男が、電報取扱口へ、十枚ばかりの頼信紙を出しているところであった。
頭と足 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
ジユウルは、自分の生憎なまいきな批評で恥入つて、頭を下げて、何にも云へませんでした。ポオル叔父さんは怒つてゐました。けれど、すぐ何んでもなくなりました。