“扇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうぎ46.3%
あふぎ24.1%
あお13.9%
あふ6.5%
せん3.7%
おおぎ2.8%
あう0.9%
うちわ0.9%
セン0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹簾たけすだれ、竹皮細工、色染竹文庫、くしおうぎ団扇うちわ竹籠たけかごなどの数々。中でも簾は上等の品になると絹を見るようで、技は昔と変りがない。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「飛んでもねえ、そんな爺々ぢゞむさいのぢやありませんよ、正直に申上げると、呼出し奴、宜い役ですぜ——斯う半開きのあふぎを口に當てゝ」
そうすれば上段のへやに寝かして一晩あおいでいてそれで功徳くどくのためにする家があるとうけたまわりましても、全くのところ一足も歩行あるけますのではございません
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
面白くはやりし一座もたちましらけて、しきりくゆらす巻莨まきたばこの煙の、急駛きゆうしせる車の逆風むかひかぜあふらるるが、飛雲の如く窓をのがれて六郷川ろくごうがわかすむあるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「一々お小言ぢや困りますね。兎も角、大した代物しろものだ。おせんと言つて年は二十一、骨細で、よく脂が乘つて、色白で愛嬌があつて——あツ」
青侍あおざむらいは、帯にはさんでいたおおぎをぬいて、すだれの外の夕日を眺めながら、それを器用に、ぱちつかせた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そのかめの中に三本も四本も徳利を入れて、徳利の口には瀬戸物のくだを附けて瓶の外に出すなど色々趣向して、ドシ/″\火をあうぎ立てると管のきからタラ/\液が出て来る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
外廊そとろうから舞台の直前まで身動き出来ない鮨詰すしづめで、一階から三階までの窓を全部明放あけはなし、煽風機、通風機を総動員にしても満場のうちわの動きは止まらないのに
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
軍井グンゼイイマダ達セズ、将カツハズ。軍幕未ダベンゼズ、将ムヲ曰ハズ、軍サウ未ダカシガズ、将飢ヱヲ曰ハズ、冬、キウヲ暖ニセズ、夏、センラズ、雨ニガイヲ張ラズ。是ヲ、将ノ礼トイフ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)