“おおぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
25.0%
大切25.0%
扇子25.0%
青木16.7%
羽扇8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ただいま、ご舎弟も見にゆかれましたが、何やら、ご家中の血気者が物具もののぐ取って、おおぎやつへ仕返しに行くとか、いや先からせて来るとか、ただ事ならぬ騒ぎのようにござりまする」
手拭を頭に巻きつけ筒袖姿つつそですがたの、顔はしわだらけに手もやせ細ってる姉は、無い力を出して、ざくりざくり桑を大切おおぎりに切ってる。薄暗い蚕棚かいこだなの側で、なつかしい人なだけあわれはわけても深い。
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
繻子しゅすの帯もきりりとして、胸をしっかと下〆したじめに女扇子おおぎを差し、余所行よそゆきなり、顔も丸顔で派手だけれども、気が済まぬか悄然しょんぼりしているのであった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その間に住吉川の氾濫はんらんの状況がやや伝わって来て、国道の田中から以西は全部大河のようになって濁流が渦巻うずまいていること、従って野寄、横屋、青木おおぎ等が最も悲惨であるらしいこと
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
駝鳥だちょう羽扇おおぎが、けだるそうにゆらりと揺れて、香料の風を送る。どうあってもここんところは、プラス・ヴァンドウムかルウ・ドュ・ラ・ペエの空気でないと、感じがでない。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)