“蛞蝓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なめくじ73.3%
なめくぢ24.4%
なめくじら2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は音のしないようにソーッと歩いて、扉の所に立っていた蛞蝓なめくじへ、一円渡した。渡す時に私は蛞蝓のしなびた手を力一杯握りしめた。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
と云う、南無阿弥陀仏の両傍りょうわきに、あいあい傘の楽書のように、(となえろとなえろとなえろとなえろ、)と蛞蝓なめくじのごとくのたくり廻る。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「年増の方は蛞蝓なめくぢ甘鹽あまじほで三日ばかり煮込んだやうな女で、お吉と言ひますがね、自分の部屋で宵からの放樂寢で」
蛞蝓なめくぢの匐ふ縁側に悲しい淋しいひきの声が聞える暮方近く、へやの障子は湿つて寒いので一枚も開けたくはないけれど、余りの薄暗さに堪兼ね縁先に出て佇んで見ると
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
鼠が葱を噛って、葱の根に蛞蝓なめくじらでも這ってはゐないか。水道の水がボトボト鼻血を流し、柱の火災除けのお守りがかっと口をあけて、焔を吐き出したら。
(新字旧仮名) / 原民喜(著)