“蚕”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
かいこ68.8%
11.7%
かひこ10.4%
かふこ2.6%
さん2.6%
かうこ1.3%
カイコ1.3%
カフコ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「惜しむらく、君は、英敏な資質をもちながら、良き主にめぐり会わなかったのだ。うじの中にいては、かいこまゆを作れず糸も吐けまい」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「春上り」をめがけて毎日様々な借金取りが軒別に廻って歩いた。町の農工銀行の行員は香水をプンプンと匂はせ乍ら片端から退引ならぬ談判をして行った。
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
我が越後にも化石渓あり、魚沼郡うをぬまこほり小出こいでざい羽川はかはといふたに水へかひこくさりたるをながししが一夜にして石にくわしたりと友人いうじん葵亭翁きていをうがかたられき。
この御館みたちでも、かふこは飼つて居た。現に刀自たちは、夏は殊にせはしく、不譏嫌ふきげんになつて居ることが多い。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その部屋は、十四郎夫婦の居間のある棟とは別になっているが、一方の端が、共通したさん室になって繋がっているために、外見は一つのもののように見えた。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ほうほうと切れてしまう藕糸を、八・十二二十合はたこに縒って、根気よく、細い綱の様にする。其をごけにつなぎためて行く。奈良の御館でも、かうこは飼って居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
秋ノカイコ。火事。ケムリ。オ寺。
ア、秋 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ほう/\と切れてしまふ藕糸ハスイトを、八・十二二十合ハタコつて、根気よく、細い綱の様にする。其をごけに繋ぎためて行く。奈良の御館ミタチでも、カフコは飼つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)