“空蝉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うつせみ97.3%
ぬけがら2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老探偵は甥と肩を並べて、その近くまでを動く道路ベルト・ロードに乗って行き、空蝉うつせみ広場から先を、歩道にそってゆっくり歩いていった。
断層顔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
空蝉うつせみの尼君には青鈍あおにび色の織物のおもしろい上着を見つけ出したのへ、源氏の服に仕立てられてあった薄黄の服を添えて贈るのであった。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
いくらくれないあや単襲ひとえがさねをきらびやかに着込んだって、たましいの無い人間は空蝉うつせみ抜殻ぬけがらです。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
空蝉うつせみなかすてヽおもへば黒染すみぞめそでいろかへるまでもなく、はなもなし紅葉もみぢもなし
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もすそたたみにつくばかり、細くつま引合ひきあわせた、両袖りょうそでをだらりと、もとより空蝉うつせみの殻なれば
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
菱餅も焼くのを知って、それが草色でも、白でも、紅色でも、色の選好よりこのみは忘れている、……ああ、何という空蝉ぬけがらの女になったろう、と胸が一杯になったんですよ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)