“薬玉”のいろいろな読み方と例文
旧字:藥玉
読み方割合
くすだま91.3%
くすりだま4.3%
クスダマ4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——いや、そう思っていたら、六条河原の柳の枝に、焼けていない鳥羽蔵の首だけが、ぶらんと、薬玉くすだまみたいに、葉柳の中から枝垂しだれていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うるさいのね、さあ、これでいいの」彼女は柚木が本気に自分を見入っているのに満足しながら、薬玉くすだまかんざしの垂れをピラピラさせて云った。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただ、黒い河水の表面に、南瓜かぼちゃとも薬玉くすだまとも見える円い物がひとつ動くとも漂うともなく浮かんでいるだけ——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その東京の街路の雑沓ざっとう、「大吉だいきち」だの、両替りょうがえだの、薬玉くすりだまだのの看板が、軒ごとに並んでいた下町の姿は、単に懐古的な意味でなつかしいというだけではない。
日本のこころ (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
五月サツキの邪気を祓うた薬玉クスダマは、万葉びとさへ既に、続命縷シヨクメイルとしての用途の外に、装飾といふ考へも混へてゐたのであるが、此飾り物も或は単に古渡コワタりの舶来品といふばかりでなく、髯籠の形が融合してゐるのではあるまいか。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)