“春蚕”のいろいろな読み方と例文
旧字:春蠶
読み方割合
はるご86.7%
はるこ13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春蚕はるごの済んだ後で、刈取られた桑畠くわばたけに新芽の出たさま、林檎りんごの影が庭にあるさまなど、玻璃ガラスしに光った。お雪は階下したから上って来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これもその年あたりは春蚕はるごの出来が大変によろしかった年でしたから在方ざいかたは、みんなたんまりとまとまった金を握っていたはずでございますし
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
越後訛えちごなまりで、「若布はようござんすかねえ」と呼んで来る声を聞くと、もう春蚕はるこで忙しい時になるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
春蚕はるこが済む頃は、やがて土地では、祇園祭ぎおんまつりの季節を迎える。この町で養蚕をしない家は、指折るほどしか無い。寺院おてら僧侶ぼうさんすらそれを一年の主なる収入に数える。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)