“蛍”の読み方と例文
旧字:
読み方割合
ほたる100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半町ばかり先に、ほたるほどの赤い火が見えだした。七は、煙草をすいながら戸狩の若者七人ばかりと一緒に、草叢くさむらに腰をすえこんでいた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は子供のときから青年期まで金魚屋に育って、金魚は朝、昼、晩、見飽みあきるほど見たのだが、ほたるくずほどにも思わなかった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかもその俗語の俗ならずしてかへつて活動する、腐草ふそうほたると化し淤泥おでいはちすを生ずるの趣あるを見ては誰かその奇術に驚かざらん。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
あおと赤と二色ふたいろの鉄道馬車のともしびは、流るるほたるかとばかり、暗夜を貫いて東西より、と寄ってはさっと分れ、且つ消え
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薄葉の中にあまたのほたるが入れてあるらしく、そこだけ、青い灯火ともしびのような光がはらんで、明りにかわるようにしてあった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
なつならば、すいとびだすまよほたるを、あれさちなと、団扇うちわるしなやかなられるであろうが
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
その晩に限って奥底のはかられないような気のする暗い気もちの悪い林の奥に、小さなほたるのようなが一つほっかりと光っていた。
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
近頃日光の御山おやましきりに荒出して、何処どこやらの天領ではほたるかわず合戦かっせん不吉ふきつしるしが見えたとやら。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)