“蝙蝠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうもり78.6%
かうもり12.9%
かわほり3.6%
かはほり3.2%
バット0.6%
かふもり0.3%
かほもり0.3%
へんぷく0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
青い海のような空に、月が出て、里川縁さとかわふちの柳の木の枝についている細かな葉が、風にそよいで、うす闇の間から、蝙蝠こうもりが飛び出て来る。
単純な詩形を思う (新字新仮名) / 小川未明(著)
その代り空の月の色は前よりもなほ白くなつて、休みない往来の人通りの上には、もう気の早い蝙蝠かうもりが二三匹ひらひら舞つてゐました。
杜子春 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「さてはその蝙蝠かわほりの翼、山羊の蹄、くちなわうろこを備えしものが、目にこそ見えね、わが耳のほとりにうずくまりて、みだらなる恋を囁くにや」
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蝙蝠かはほりをなおそれそ。かなたこなたへ飛びめぐれど、入るものにはあらず。神の子と共に熟寐うまいせよ。斯く云ひをはりて、をぢは戸をぢて去りぬ。
風に乗って、飛んで、宙へ消えた幽霊のあと始末は、半助が赤鬼の形相のままで、蝙蝠バットを吹かしながら、射的店へ話をつけた。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝から晩まで眞暗な茶の間の隅に、蝙蝠かふもりのやうにうづくまつてゐなければならなかつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
曇日くもりびなので蝙蝠かほもりすぼめたまゝにしてゐるせいか、やゝ小さい色白いろじろの顏は、ドンヨリした日光ひざしの下に、まるで浮出うきだしたやうに際立きわだってハツキリしてゐる。頭はアツサリした束髪そくはつしろいリボンの淡白たんぱくこのみ
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
大店おおみせのBBの肩ばかり持ちやがって、成っちゃいねえ。たかだか植民地の町長ですからな。無鳥島の蝙蝠へんぷくでがすな。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)