“かはほり”の漢字の書き方と例文
語句割合
蝙蝠100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平岡のいへの近所へると、くら人影ひとかげ蝙蝠かはほりの如くしづかに其所そこ此所こゝうごいた。粗末な板塀いたべい隙間すきまから、洋燈ランプが往来へうつつた。三千代みちよ其光そのひかりしたで新聞をんでゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ながれにはをのひゞきにはのみおとしろ蝙蝠かはほりあかすゞめが、ふもとさといろどつて、辻堂つじだううちなどはかすみかゝつて、はな彫物ほりものをしてやうとまで、しんじてたのが、こひしいをんな一所いつしよたゝめ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鋼叉さすまたに髪をからまれて、蜘蛛よりも手足を縮めてゐる女は、神巫かんなぎたぐひでゞもございませうか。手矛てほこに胸を刺し通されて、蝙蝠かはほりのやうに逆になつた男は、生受領なまずりやうか何かに相違ございますまい。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)