“火取虫”の読み方と例文
読み方割合
ひとりむし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火取虫ひとりむしつぶてのように顔をかすめて飛去ったのに驚かされて、空想から覚めると、君江は牛込から小石川へかけて眼前に見渡す眺望が急に何というわけもなく懐しくなった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
髑髏の目からは火取虫ひとりむしが一つひらひらと空中へ昇ってく。それから又三つ、二つ、五つ。
誘惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これこそわれから死を求むる、火取虫ひとりむしよりおろかなるわざなれ。こと対手あいては年経し大虎、其方は犬の事なれば、縦令たと怎麼いかなる力ありとも、尋常にみ合ふては、彼にかたんこといと難し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)