“百舌”の読み方と例文
読み方割合
もず100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
太い松の幹と幹との向こうに畑があり、そこに鶏頭が燃えていたり、大きな柿の木があって、黄色い柿の実が熟れていたりした。空高く百舌もずが鳴いていた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
小禽とは、すずめ山雀やまがら四十雀しじふから、ひは、百舌もず、みそさざい、かけす、つぐみ、すべて形小にして、力ないものは、みな小禽ぢゃ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
金沢町江島屋の忍び返しに、百舌もずにえのように引っ掛って死んだあざみの三之助の下手人は、それっ切りわからず、四日五日と苛立たしい日は続きました。
そこへは時々、百舌もず山雀やまがら、文鳥、ひわ、目白、さまざまな小鳥がブチまけたように下りて来て、日ねもす歌っている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はよく葡萄棚の下に緑いろの日の光を浴びながら新らしい紙の匂ひに親しみ、赤い柿の實の反射にぼやけた草艸紙の平假名を拾つては百舌もずの啼くをきき耽つた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
たとえば百舌もずなどは夜の引明けに、小高い木の枝に二羽ならんでいて、その一羽だけが何度でも下に降りて、巣になりそうなくさむらに飛んで行っては帰って来る。
百舌もずの鳴きわたる木々の梢は薄く色づき、菊や山茶花のそろ/\咲き初めた農家の庭には柿が真赤に熟してゐる。
買出し (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
その中で沼南夫人は百舌もずからすの中のインコのように美しく飾り立てて脂粉と色彩の空気を漂わしていた。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)