“野分”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のわき84.0%
のわけ16.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遼東りょうとう大野たいやを吹きめぐって、黒い日を海に吹き落そうとする野分のわきの中に、松樹山しょうじゅざんの突撃は予定のごとく行われた。時は午後一時である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夏山 夏野 夏木立なつこだち 青嵐 五月雨さみだれ 雲の峰 秋風 野分のわき 霧 稲妻 あまがわ 星月夜 刈田 こがらし 冬枯ふゆがれ 冬木立 枯野 雪 時雨しぐれ くじら
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ある日曜の午後と覚えています、時は秋の末で、大空は水のごとく澄んでいながら野分のわけ吹きすさんで城山の林は激しく鳴っていました。
春の鳥 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すでにその頃、尊氏は瀬田大橋もこえ、彼の東下の軍勢は、野分のわけつめあとのひどい稲田を途中に見つつ近江路を急いでいた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)