“霧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きり83.6%
き10.3%
きら2.1%
キリ1.4%
トマーン0.7%
かすみ0.7%
ぎり0.7%
クンゴー0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのなみだの霧(きり)の中から、わたしは、前列のこしかけにすわっていた若(わか)いおくさんがいっしょうけんめい手をたたいているのを見た。
爺(をぢ)が張る四つ手の網に、月さしていろくづ二つ。その魚のくちびる紅(あか)き、この魚の背の鰭青き、現(うつつ)とも思(も)へばつめたく、幻と見れば霧(き)らひつ。
篁 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さむざむと霧(きら)ふアスファルトのむかふに、明るい賑やかな一角がぽつんと盛り上ってゐて、ともかく、そこには憩へる場所がありさうだった。
秋旻 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
「紀」「奇」などを用いて「伎」「企」「枳」などを用いない語「月(ツキ)」「霧(キリ)」「槻(ツキ)」などとの二つに分れるのであります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
霧(トマーン)は、天候の変る先ぶれのラッパだ。翌日街へ出て見たら、すべての橇馬の体で汗が真白い霜に凍っている。通行人のひげも白い。本物の「赤鼻のモローズ」がモスクワの街へ降りた。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
雲を霧(かすみ)に逃げた——といふだけしか解りません。
冷(ひえ)びえと雨が、さ霧(ぎり)にふりつづく
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そういえば、密林のはずれにあるマヌイエマの部落で、“Kungo(クンゴー)”といっている蚊蚋(かぶゆ)の大群が、まさに霧(クンゴー)のごとく濛々(もうもう)と立ちこめている。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)