“肌寒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はださむ80.8%
はだざむ19.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一人ひとりすはつて居ると、何処どことなく肌寒はださむの感じがする。不図気が付いたら、机の前の窓がまだてずにあつた。障子をけると月夜だ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やがて彼は人々と共に席を離れて縁側へ出て見たが、もはやすこし肌寒はださむいくらいの冷えびえとした空気がかえって彼に快感を覚えさせた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さて、つまみ、ちがへ、そろへ、たばねと、大根だいこのうろきのつゆ次第しだいしげきにつけて、朝寒あさざむ夕寒ゆふざむ、やゝさむ肌寒はだざむ夜寒よさむとなる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
秋めいて来て、やがて風が肌寒はだざむくなると、もう関東煮屋に「もって来い」の季節で、ビールに代って酒もよく出た。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)