“百足虫”の読み方と例文
旧字:百足蟲
読み方割合
むかで100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火の百足虫むかではだんだんに山の尾根をすすんで、二人の目の下まで進んで来ています。そしてまた幾分か登りながら何かの足場を求めている動作に見える。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一丈五尺もある百足虫むかでが群れをなし、怪獣ベヘモスの浴場にもなり得ようという、テーベの奇怪な沼のように人々はそれを思っていた。
「俺はその虫が大嫌いでな。のみしらみ、バッタ、カマキリ、百足虫むかで、——虫と名のつくものにろくなものがない」
「ぢや、あんた、百足虫むかでをもつてるの。ああ、おつかない。」
母子ホームの子供たち (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
船べりからは百足虫むかでのようにの足を出し、ともからは鯨のようにかじの尾を出して、あの物悲しい北国特有な漁夫のかけ声に励まされながら、まっ暗に襲いかかる波のしぶきをしのぎ分けて、沖へ沖へと岸を遠ざかって行く。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
——二十年が間呪いの執念のと小うるさく耳元にささやく声が、百足虫むかでのように頭の中を刺しまわって、何を見るにも血色の網からのぞくような気持だったが、今夜という今夜こそ、この鐘がなりひびいた祈誓の結着に、たたきひしいでくれようわ。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
そのうちに、後から後から競馬場へ来る二人曳きの腕車や馬車がれきろくとしてつづき、そしてたちまち、停滞車に道をふさがれて百足虫むかでのように止まった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ユルシュリーヌの建築材置き場の中にははさみ虫、パンテオンには百足虫むかで、練兵場のどぶの中にはおたまじゃくしがいる。