おおぎ)” の例文
青侍あおざむらいは、帯にはさんでいたおおぎをぬいて、すだれの外の夕日を眺めながら、それを器用に、ぱちつかせた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「ただいま、ご舎弟も見にゆかれましたが、何やら、ご家中の血気者が物具もののぐ取って、おおぎやつへ仕返しに行くとか、いや先からせて来るとか、ただ事ならぬ騒ぎのようにござりまする」
むかしの鎌倉はよかったが、戦後は、ようすが変って、なじみのうすい土地になってしまいました……私も、おおぎやつに家をもっていますが、留守番をひとりだけおいて、荒れるままにほうってある。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おおぎやつの細川三兄弟が、三人打ちそろって、これへまいる様子です」