“懼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそ86.3%
おそれ6.6%
1.5%
おそるゝ1.0%
おそろ1.0%
カシコ1.0%
おび0.5%
かしこ0.5%
こわ0.5%
をそ0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アウシュコルンはなぜそんな不審が自分の上にかかったものか少しもわからないので、もうはやおそれて、言葉もなく市長を見つめた。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
然るに今は「死せる秘密」のためにおそれいだいて、もし客を謝したら、緑翹の踪跡そうせきを尋ねるものが、観内に目をけはすまいかと思った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
妹の女御にょごのいる麗景殿れいげいでんに行く途中で源氏を見かけて、「白虹はくこう日を貫けり、太子ぢたり」と漢書の太子丹が刺客を秦王しんのうに放った時
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
雪国にてふるひおそるゝ物は、冬の○雪吹ふゞき○ホウラ、春の雪頽なだれなり。此奇状きじやう奇事きじすでに初編にもいへり、されど一奇談いつきだんを聞たるゆゑこゝにしるして暖国だんこく話柄はなしのたねとす。
秋山は侠客肌の大きな男で、石川五右衛門のやうに髪を上に立てゝ、一寸見ると赤顔にニキビの多く出たおそろしい男であるが、話してみると仲々面白い男である。
此歌で見ると、真土山を越えて行くことを見せて居る。ところが三番目の歌では、河内境のカシコの阪と言ふのを越す様にある。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
お前が、さも新吉の凄じい権幕におびえたように、神経のこわばった相形そうぎょういて微笑わらいを見せながら、そういって私の部屋に入って来た。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ここに驚きかしこみて、あらきの宮にませまつりて、更に國の大幣おほぬさを取りて生剥いきはぎ逆剥さかはぎ阿離あはなち溝埋みぞうみ屎戸くそへ上通下通婚おやこたはけ馬婚うまたはけ牛婚うしたはけ鷄婚とりたはけ犬婚いぬたはけの罪の類を種種くさぐさぎて、國の大はらへして
「その子は水生だね。五番目かえ。みんなうぶだからこわがるのは当前あたりまえだよ。宏兒がちょうどいい相手だ。さあお前さん達は向うへ行ってお遊び」
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
風早のおもてはかつあきれ、かつ喜び、かつをそるるに似たり。やがて証書は遊佐夫婦の手に渡りて、打拡げたる二人が膝の上に、これぞ比翼読なるべき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
火にハジタマの音づれ づおづも 吾がのゆくへ 人に問はるゝ※
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)