“かしこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カシコ
語句割合
42.8%
彼処22.5%
17.5%
彼處5.2%
彼所2.5%
2.3%
1.5%
0.8%
彼方0.6%
怜悧0.6%
0.6%
0.6%
彼家0.4%
拜承0.2%
拝承0.2%
嘉志子0.2%
彼地0.2%
0.2%
怜利0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
本宅0.2%
端座0.2%
跪座0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山浦環は、又の名を内蔵助くらのすけともった。まだ二十歳はたちぐらいで、固くかしこまって坐った。黒いひとみには、どこかに稚気ちき羞恥はにかみを持っていた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あないに何処も彼処かしこも白おしたら晴れがましおしてなあ。………あんさんとこの奥様おくさんみたい綺麗きれおしたらよろしおすけど。………」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かの子 い調和とかしこい素直さと皓潔な放胆で適宜てきぎに生きるというほどいつの時代にだって新鮮な生き方はなかろうと思いますわ。
新時代女性問答 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
燈の光は窓々より洩れたり。フランチエスカとフアビアニとは、彼處かしこにて禮をへつるなり。家の内より、樂の聲響き來ぬ。
豊雄、七二ここに安倍あべ大人うしとまうすは、年来としごろ七三まなぶ師にてます。彼所かしこに詣づる便に、傘とりて帰るとて七四推して参りぬ。
この男は片足が悪いから、かしこまろうとしてもうまい具合には跪まれないから、胡坐あぐらと跪まるのを折衷したような非常に窮屈な坐り方です。
ここに父答へて曰はく、「こは大君にますなり。かしこし、が子仕へまつれ」といひて、その家を嚴飾かざりて、さもらひ待ちしかば、明日あすのひ入りましき。
是に於いて、皇太子た使者を返し、其の衣を取らしめ、常のごとたまふ。時の人大にあやしみて曰く、聖の聖を知ること、其れまことなる哉。いよいよかしこまる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
始めたが、芹は少い、たでばかりじゃ。赤蓼あかたでが、ほれ、そこにも彼方かしこにも
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
墓にまいる人にしきみ綫香せんこうを売り、また足を休めさせて茶をも飲ませる家で、三十ばかりの怜悧かしこそうなおかみさんがいた。わたくしはこの女の口から絶望の答を聞いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
またいちばんかしこいことなのだ。何事もなむあみだぶつだよ。(手を合わせて見せる)
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
おのただ一人かしこからんと欲するは大愚のみ。(ラ・ロシフコオ)
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
また広徳寺前には我が幼き頃より知れる藤作といへる名高き店あり、特に藤作は世の聞え人の用ゐも宜し、彼家かしこに至らば良き品を得んこと疑ひあらじ、同じわざをするものは相忌み相競ふものなれば
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『はツ、拜承かしこまりまして御坐ござりまする。すぐ會計くわいけいまをしまして。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
拜承かしこまりました。』と、ニキタはこたへる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『はッ、拝承かしこまりまして御坐ござりまする。すぐ会計かいけいにそうもうしまして。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
拝承かしこまりました。』と、ニキタはこたえる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「小金井さんは、ふらんすの翻訳。若松賤子は英語もので、両方ともしっかりしている。若松賤子は明治女学校の校長さんの夫人で、巌本嘉志子かしこというのが本名だ。」
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
みたしとならば彼地かしこませ、きなことでも松風まつかぜはし、氣儘きまヽくらさせるがめてもと、父君ちヽぎみ此處こヽにおるしのでければ、あまりとても可愛想かあいさうのこと、よし其身そのみねがひとてやうとほくに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いつも、右側に、袴をつけて、番所の中にかしこまっている番人が、一人もいなかった。
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
二里あまりへだてたる村より十九歳のよめをむかへしに、容姿すがたにくからず生質うまれつき柔従やはらかにて、糸織いとはたわざにも怜利かしこければしうとしうとめ可愛かあいがり、夫婦ふうふの中もむつまし家内かない可祝めでたく春をむかへ
ここに驚きかしこみて、あらきの宮にませまつりて、更に國の大幣おほぬさを取りて生剥いきはぎ逆剥さかはぎ阿離あはなち溝埋みぞうみ屎戸くそへ上通下通婚おやこたはけ馬婚うまたはけ牛婚うしたはけ鷄婚とりたはけ犬婚いぬたはけの罪の類を種種くさぐさぎて、國の大はらへして
打たぬ以前は娘より十倍もかしこい女であったが今は何うだ、虎井夫人の十分の一の智慧もないワ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ば手に入んこと外になし此婚姻こんいんさまたげせばかれ自然おのづから此方こなたなびかんあゝ然なりと思案せしが此方策はうさくこうはてついては惡き事に掛てはかしこき者は兄の元益是に相談なして見ばやと先元益が方へ至るに博奕ばくちまけこみたるか寢卷ねまき一枚奧の間にすゝぶりゐたるが夫と見てたれかと思へば弟の庄兵衞何と思つて出て來たか知ねど兄に無禮ぶれい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おきては別莊守べつそうもりの夫婦ふうふのみなれど最愛さいあいむすめ病氣びやうきとのことなり本宅ほんたくよりの使つかたへければことによそへて杉原すぎはらのことはするに本宅かしこにも此頃このごろさらにまゐたまはずといふるにてもなんとしたまひしにや我心わがこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
病人というのでしとねは離れず、彼はうやうやしく端座かしこまっていたが、それと見て畳へ手をつかえた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
弓を伏せて跪座かしこまる。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)