“最愛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいあい29.4%
いと29.4%
いとし17.6%
いとお11.8%
いとおし5.9%
いとをし5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれ最愛さいあいちゝ濱島武文はまじまたけぶみは、はるかなる子ープルスで、いま如何いかなるゆめむすんでるだらう、少年せうねんゆめにもかくした母君はゝぎみ春枝夫人はるえふじんは、昨夜さくやうみちて、つひその行方ゆくかたうしなつたが
之を思うと余は最愛いとしさが百倍するけれど、悲しや其の人は既に他人の物、余は其の最愛しさを憎さと見せて居ねば成らぬ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
あの、船で手を取って、あわれ、生命掛けた恋人の、口ずから、めて、最愛いとしい、と云ってほしい、可哀相とだけも聞かし給え。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一言も交わさずに、ただ御顔を見たばかりでさえ、最愛いとおしさに覚悟も弱る。私は夫のござんす身体からだ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いろいろなことを尋ねたり語ッたりしていたが,その声の中には最愛いとおし可愛かあいという意味の声が絶えず響いていたように思われた,そして祖母は娘がちいさかッた時のように今もなお抱いたり、でたり
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
我命にも換へて最愛いとをしみし人はあくたの如く我をにくめるよ。恨は彼の骨に徹し、いかりは彼の胸をつんざきて、ほとほと身も世も忘れたる貫一は、あはれ奸婦の肉をくらひて、この熱膓ねつちようさまさんとも思へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)