最愛いとお)” の例文
一言も交わさずに、ただ御顔を見たばかりでさえ、最愛いとおしさに覚悟も弱る。私は夫のござんす身体からだ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
余は胸がドキドキする、是を思うと余は迚も盗坊などに成れる性質でない、最愛いとおしの秀子が為なればこそ斯様な事もするが金銭の慾などの為なら、寧ろ餓え死ぬ方が幾等気楽かも知れぬ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)