“博奕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばくち90.5%
ばくえき4.2%
わるさ1.6%
あそび1.1%
かけごと0.5%
ばくちう0.5%
おあそび0.5%
こばくち0.5%
カブ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は遂にやむをえず、かたまりのそとへ出て、後ろの方に立って人の事で心配しているうちに、博奕ばくちはずんずん進行しておしまいになる。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
水戸烈公の著「明訓一班抄」にれば、徳川家康は博奕ばくえきをもってすべての罪悪の根元であるとし、はやく浜松・駿府在城の頃よりこれを厳禁した。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
湯町に巣喰う遊び人の仲間に入って、博奕わるさをしているのも知っていたが、それでも男に、愛想あいそが尽きたとは思わないお寿々だった。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これッ、菊王、他人ひとのすなる博奕あそびごとなどへ、なぜらざることを申すか。ばかな奴よ。黙っていませい」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殺害致して金子きんす百兩を奪取うばひとり其後又慈恩寺村にて博奕かけごと御座候節こう宿じゆくの鎌倉屋金兵衞と申す者を殺して金子五百兩をうばひ取り候をわたくしのをつと三五郎よくぞんをり候事故其わけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
本職の博奕ばくちう打ちだ、と云いたいのであろう。としは四十がらみで、中肉中背のどこといって特徴のない、平凡で穏やかな人柄であった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「ホ、ホ、ホ。お堅いこと。お酒ですか、お肉? それとも博奕おあそびなら奥の方ですが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入口の格子を叩いたのは、顏見知りの隣り町の指物さしもの職人——といふよりは、小博奕こばくちを渡世にしてゐる、投げ節の小三郎といふ男でした。
この度胸に就て一言するならば、例えば好んでやるオイチョ博奕カブに於て、彼の度胸は非常に高いものにつくのだ。これは彼のしば/\誇張するところのものだ。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)