“当前”のいろいろな読み方と例文
旧字:當前
読み方割合
あたりまえ86.0%
あたりまへ6.0%
あたりめえ6.0%
とうぜん2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼等の顔は当前あたりまえの人間の顔ではないのである。今まで見た、普通の女とは違って、皆一種の stereotype な顔をしている。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼は立つて、だるい体を机の前まで運んだ。立つた時は風船にでも乗つたかと思ふやうな心持がしたが、机の前に胡坐を掻くと、当前あたりまへの心持に戻つた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「八番坑だ。これがどん底だ。水ぐらいあるなあ当前あたりめえだ。そんなに、おっかながるにゃ当らねえ。まあ好いからこっちへ来ねえ」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは無論であるが、時と場所とで、おのずから制限されるのもまた当前とうぜんである。英国人のかいた山水さんすいに明るいものは一つもない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)