当前あたりめえ)” の例文
旧字:當前
「八番坑だ。これがどん底だ。水ぐらいあるなあ当前あたりめえだ。そんなに、おっかながるにゃ当らねえ。まあ好いからこっちへ来ねえ」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伴「なッてえ/\、これ四けん間口の表店おもてだなを張っている荒物屋の旦那だア、一人二人の色が有ったってなんでえ、男の働きで当前あたりめえだ、わけえもんじゃあるめえし、嫉妬やきもちを焼くなえ」
当前あたりめえだあな。人つけ。誰が案内をざりにして、先へ行く奴があるかい、何でい」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今まで内爛ねえら一つ起してくさめ一つした事のねえ馬だ、それに十六貫目の四斗俵を二俵附けるなら当前あたりめえだが、ハア三俵となるとわれえ疲れべいと思って、山坂を越える時はおらが一俵担いでやるようにするから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)