“莟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つぼみ81.5%
つぼ14.3%
ふふ3.4%
ツボミ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吃驚びっくりしたようにあたりを見ながら、夢に、菖蒲あやめの花を三本、つぼみなるを手に提げて、暗い処に立ってると、あかるくなって、太陽した。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
帯腰のしなやかさ、着流しはなおなよなよして、目許めもとがほんのりと睫毛まつげ濃く、つぼめる紅梅の唇が、艶々つやつやと、しずかびんの蔭にちらりと咲く。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さにづらふ天つをとめが真素肌の乳房のふふみ人は見にけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ミガかれぬ智慧チヱを抱いたまゝ、何も知らず思はずに、過ぎて行つた幾百年、幾万の貴い女性ニヨシヤウの間に、ハチスの花がぽつちりと、ツボミモタげたやうに、物を考へることを知りめた郎女であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)