伊奈いな)” の例文
そして木曾下四宿への当分助郷としては伊奈いな百十九か村、中三宿へは伊奈九十九か村、上四宿へは筑摩郡ちくまごおり八十九か村と安曇郡あずみごおり百四十四か村を指定した。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
伊奈いな半十郎の配下が、舟番所から見張っている。五本の釣竿つりざおで、わいわいと騒いでいるからすぐ見つかる。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊奈いなから飯田にかけての渓谷の村々でも時折曲物の技を見かけます。これは檜や杉の材に恵まれているからと思います。曲物はいずれも柾目まさめを用いねばなりません。止めは桜皮を用います。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
諏訪の盆地は隠れて見えず、鉢伏はちぶせ立科たてしなが後ろからのぞき、伊奈いな筑摩ちくま山巒さんらんが左右に走る。遠くは飛騨境ひだざかいの、槍、穂高、乗鞍等を雲際に望むところ。近くは犀川さいがわと、天竜川とが、分水界をなすところ。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
郡代衆ぐんだいしう出張しゆつちやうの役所へ訴へ出けるに伊奈いな半左衞門殿の手代横田五左衞門深見吉五郎檢使けんし立合の上改め相濟あひすみ一先權現堂村の名主仙右衞門方へ引取ひきとつての調べと相成り横田は平吉にむかひ其方は平兵衞のせがれなるかととふ平吉はつ平伏へいふくしける時横田は又其方の親平兵衞儀日頃何か他に意趣遺恨いしゆゐこん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
信玄はその本陣を江台島えだいしまにうつし、一方、伊奈いな四郎勝頼、穴山梅雪あなやまばいせつなどの一手を、二俣城ふたまたじょうへ向けて
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)