“肯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.8%
うなず20.7%
がえん10.4%
がえ7.1%
うけが5.2%
うべな2.3%
うなづ1.6%
がへん1.6%
うけ1.4%
がへ1.4%
うな1.2%
あえ1.0%
きか1.0%
あへ0.9%
うけご0.3%
アヘ0.3%
0.2%
うなずか0.2%
うべなわ0.2%
うま0.2%
がえんず0.2%
きき0.2%
きく0.2%
きゝい0.2%
そむ0.2%
ウベナ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
というような事で長く議論をして居りましたが、同氏はどう留めてもかぬと見られたか若干の餞別を残して夜深よふけに帰って行かれた。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そして右手の指を雀の巣のような頭髪のなかにつきこんでゴシゴシやっていたが、やがて大きくうなずくと、元のところへ引返して来た。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
束帯そくたいの上から縄打つ法はあるまい。まして宮門の内より縄付きを出してよいものか。万一、どうしてもがえんじねば、俊基、この場で舌を
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんとなれば、その犯行は奇想天外にして識者の常識をがえんぜしめず、むしろ余に対して誣告の誹を発せしむる憾みあるからである。
風博士 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
平野老人は首を振ってうけがいませんでした。市川の言ったことをねつけることによって、自分がもてあました言葉尻が立て直りました。
うべなふべき時にてもまたいなむべき時にても、彼と此とを別たずしてしかする者はいみじき愚者にほかならず 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
平次が妾のお源の神妙らしく取繕とりつくろつた顏をかへりみると、お源は少しあわてて、大きくうなづきました。平次の推理には一點の隙もありません。
然るに當日寫眞機を携ふる新聞記者は警護の者の制止するをがへんぜずして闖入する事の出來ぬ境にちん入して俳優の演技を撮影せんとした。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
自己にあらずんば、自己の体感したものにあらずんば、自からうけがはれないのは、けだし新時代の若い心の自然の現はれであらう。
エンジンの響 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
またよしんば上原が望んだとしても、肝腎の縣のはうが、上原の推薦をきかず、志村を囑託とすることをがへんじなかつたとしたらどうだらう。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
眠元朗は、女をながめたが、女もその言葉にはうなずくような面持ちで、しずかに娘の方を向いた。——娘は黙っていた。そしてやっと口をひらくと言った。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
而して燕王の豪傑の心を所以ゆえんのもの、実に王のの勇往邁進まいしん艱危かんきを冒してあえて避けざるの雄風ゆうふうにあらずんばあらざる也。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
サア夫はのつめ臺詞ぜりふ忠兵衞今は詮方せんかたなければ左樣御座らば此由を若旦那へ一おう話してと云ども主個あるじは更にきかず何の息子せがれに話すに及ばう如何いかに戀慕こひしたふ美人でも覆轉ひつくりかへつてあわ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たま/\榛軒が事あつて父の未だ起たざるに出で去ることがあると、蘭軒は甘んじて塵埃中に坐して、あへて三子柏軒をして兄に代らしめなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
癩坊主かったいぼうずが、ねだり言をうけごうて、千金の釵を棄てられた。その心操こころばえに感じて、些細ささいながら、礼心にと内証の事を申す。貴女あなた、雨乞をなさるがい。——天の時、地の利、人の和、まさしく時節じゃ。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
杵島孃子ハヽコ山ノ條ニ「同天皇行幸イデマシ之時、土蜘蛛八十女ヤソメ、又有、常皇命、不アヘ降服マツロヒ、於茲遣兵掩滅、因曰孃子山
倭女王卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 白鳥庫吉(著)
老母あはれみて四四をさなき心をけ給はんや。左門よろこびにへず。母なる者常に我が孤独をうれふ。まことあることばを告げなば、よはひびなんにと、ともなひて家に帰る。
彼はそれを、或はすかし、或はおどし、色々に骨折って、三十分ばかりの間も、口をすっぱくして口説くどいた上、とうとう、半ば威圧的に、彼女をうなずかせて了いました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
藤井氏は陸軍軍医正、たまき女史は音楽学校助教授、二氏の職業はかように明白ですが、二氏が趣味の人であるかどうかと申す事が明白でない以上、この離婚が趣味の衝突に起因したとはうべなわれません。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
門人「どッこい、そううまくはいかんぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
臣下ががえんずるということはあるまい、夢だ、空想だ、策士の策倒れだよ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちょうど雨が窓を打つ音をきいたので、細君はどうぞうちにいてくれと願ったが、泣かんばかりに願ったがきき入れないで、大きな雨外套に身を包んでそのまま出ていってしまった。
きくべし當座のなぐさみものには是にてもなきにはましならんと或時お兼をとらへて樣々に口説くどきつひに無理往生わうじやうに本望を遂げるに此女おろか者なれば段々吾助にあざむかれ折々忍びあひける内何時いつしかはらに子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
げてのわびごとなんとしてするべきならずよしやひざげればとて我親わがおやけつしてきゝいれはなすまじく乞食こつじき非人ひにん落魄おちぶるとも新田如につたごときに此口このくちくされてもたすけを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
半次はうるさいから、顏をそむけて通るといふ鹽梅あんべえ、これぢや仲良くなりつこはありませんね
併し本人はもとより彼等の周圍に、その處斷をウベナはぬ蒙昧な人々がゐる。
人間悪の創造 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)