“欺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あざむ52.0%
だま38.1%
あざ2.7%
かた0.6%
いつわ0.6%
かつ0.6%
0.6%
アザム0.6%
あざむき0.4%
0.4%
たばか0.4%
だまか0.4%
だまし0.2%
あざむい0.2%
あざむか0.2%
いつは0.2%
うそ0.2%
かたり0.2%
たば0.2%
たら0.2%
0.2%
0.2%
まやか0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おつぎは勘次かんじ敏捷びんせふあざむくにはこれだけのふか注意ちういはらはなければならなかつた。それもまれなことでかずかならひとつにかぎられてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
だまされたとは思いませんでしたが、その時始めて小田切さんの姿、いや、男の人というものの真の姿を見たような気がいたしました。
情鬼 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
……吾々は歴史にあざむかれてはならない。常に悪魔的な正しい目で歴史を読んで行かないと飛んでもない間違いに陥ることがある。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とすれば山鹿にかたられた、そして又それを口実に管理されてしまった鷺太郎の財産は、この裸体国の為に、消費されてしまったのであろう。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ここに天皇は黒姫をお慕い遊ばされて、皇后樣にいつわつて、淡路島を御覽になると言われて、淡路島においでになつて遙にお眺めになつてお歌いになつた御歌
かつぎだとは知ったんですが、お初会の方に、お怨みを言うのも、我儘わがままと存じて遠慮しました。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『悪い狼奴がどうして妾をまして、出世をしたか——』といふ長い文章を書いて王様に進呈しました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
おい李固さん、お役所前の戒石いしぶみに、こうってあるのをしらねえな。——下民ハシイタゲ得ルトモ、上天ハアザムキ難シ——と。真っぴら、真っぴら。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先生せんせいを他国の人と眼解みてとりあざむきてたばこの火をかりたるならん、可憎々々にくむべし/\否々いや/\にくむべからず、われたばこの火をかして美人にえん(烟縁)をむすびし」と戯言たはふれければ、岩居を拍て大に笑ひ、先生あやまて
かぶっていたのです。そこに、真犯人の恐るべきまんが隠されているのです。しかし、そのことは、あとでゆっくりお話ししましょう
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかるときは、われはわが胸に君を掻きいだきゐるがごとき心ちす、ひねもす心も切に恋ひわたりゐし君を。ああ、甘き睡りよ、われをたばかりてなりとも慰めよ。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
相川のお嬢にはうち相助あいすけという若党が大層に惚れて居るから、あれを旨くだまかし、孝助と喧嘩をさせて置き、あとで喧嘩両成敗だから、おいらの方で相助を追い出せば
流して泣居なきゐるに大岡殿三吉を見らるゝに如何いかにも物賢ものかしこく利口りこうさうなる小僧ゆゑ此者をだまし能々よく/\聞糺きゝたゞさば百兩の盜賊も知れるに相違なしと最初さいしよより目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
実はあざむいて人を試験するようなもので、徳義上におい相済あいすまぬ罪なれども、壮年血気の熱心、みずから禁ずることが出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こはかれが一時いちじたはむれなるべし、かゝる妖魅えうみの術はありながら人にあざむかれてとらへらるゝは如何いかん
ここに建振熊の命たばかりて、「息長帶日賣の命は、既に崩りましぬ。かれ、更に戰ふべくもあらず」といはしめて、すなはち弓絃ゆづらを絶ちて、いつはりて歸服まつろひぬ。
皆遣る。遣ればもう遣るものが無くなる。無くなれば慈善もしなくつても善い。罪は社会にあるのだ。うその乞食でも僕はかまはぬ。金をやる
其方義夫傳吉の留守中るすちう昌次郎と奸通かんつう致しあまつさへ傳吉歸國きこくせつ密夫みつぷ昌次郎に大金をかたりとら旁々かた/″\以て不埓ふらちに付三宅島みやけじま遠島ゑんたう申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
舁込しがあるじの老女一人居り其時彼の町人と思ひし男私しにむかひ最早此所迄來る上は如何にさけぶとも詮なし翌日は京の遊女町へ連ゆきて金にするつもりなれば其心得にて此姥樣このおばさんの處に今宵悠々と泊り居よと云れて偖は惡漢にたばかられしか殘念や口惜やとのがれんとすれども先づは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あまりの窮屈にいざ廣々とならんには我れをたらして君樣いとしと言はせ、何も時世とあきらめ給へ、正しき妻とは言ひ難けれど心は後の世かけてなどゝ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その女が、これも化けた一つので、くるままでこしらえて、無事に帰してくれたんです。が、こちらが身震みぶるいをするにつけて、立替たてかえの催促がはげしく来ます。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あたきの爺様の代に此店ここの先代という人にうまうま一杯められて——ああ口惜しい
矢文の天誅はまやかしだ。なあ、真正の犯人がなんでわざわざ己が字を残すもんけえ。土台、あの矢が弓で射たもんなら、ああ着物を破いちゃあ身へ届くわけがねえ。
年は四十五六、繊細きしやな手にすら小皺こしわが見えてゐた
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)