“かたり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタリ
語句割合
20.8%
18.8%
騙児6.3%
詐欺6.3%
騙取6.3%
語部4.2%
騙詐4.2%
騙賊4.2%
詐取2.1%
2.1%
欺騙2.1%
2.1%
詐偽2.1%
詐偽師2.1%
詐欺師2.1%
誘拐2.1%
2.1%
騙局2.1%
騙拐2.1%
騙者2.1%
2.1%
驅者2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうなると普通のかたりりや強請ゆすりではない。ともかくも其の片袖は本物である。十両の礼金は鍋久が勝手にくれたのである。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
岩居がんきよかたりいはく、今をさる事五十余年ぜん天明のしよ年大阪にて家僕かぼく四五人もつかふほどの次男とし廿七八ばかり利助といふもの、その身よりとしの二ツもうへの哥妓げいしやをつれて出奔しつほん
あの騙児かたりめ、上背うわぜいといい、おめんといい、男っぷりといい、——ちょいと水際だっておりますからねえ。
御禁制の布令ふれが出ても出ても、岡場所にかく売女ばいたは減らないし、富興行はひそかに流行はやるし、万年青おもと狂いはふえるし、強請ゆすり詐欺かたりは横行するし
醤油仏 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屠犬児は天窓あたまきて、「むこうがおめでたいだけにちっとは冥利みょうりわりいようだ。はて、てい騙取かたりじゃねえか。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その時、語部かたりの尼が歩み寄って来るのを、又まざまざと見たのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
自分に関係することなら何でも、たとい騙詐かたりでも、堂々とやってもらいたがっていた。
たとえ騙賊かたりでも、盗賊どろぼうでも、お前に取っては大事な御主人。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぢきげて来さへすりや、切れると云ふんぢやなし、すこし不好いやな夢を見たと思へば、それでも死ぬよりはましだらう、と私はさう申しますと、狭山さんは、それは詐取かたりだ……
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
詐取かたりで御座いますとも! 情婦をんなを種に詐取を致すよりは、費消つかひこみの方が罪ははるかに軽う御座います。そんな悪事を働いてまでも活きてゐやうとは、わたくしは決して思ひは致しません。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其方義夫傳吉の留守中るすちう昌次郎と奸通かんつう致しあまつさへ傳吉歸國きこくせつ密夫みつぷ昌次郎に大金をかたりとら旁々かた/″\以て不埓ふらちに付三宅島みやけじま遠島ゑんたう申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その開卷に旅客心得として、江湖十二則を掲げてあるが、概して盜賊・放馬おひはぎ欺騙かたり掏摸すり拐騙もちにげ偸換すりかへ等に對する注意に過ぎぬ。
支那人の妥協性と猜疑心 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
所由いわれを聞き「なるほど解りやした、当節かたりがはやるから、それで二重どりをさせねえ魂胆こんたん、よくしたものでごぜえやすねえ」
こんどは引き売りてえ新手あらて詐偽かたりを働いて、そいつもいっしょにつかまったとよ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
口惜しいっ! お返し! お寄越し! 盗人! 詐偽師かたりっ! お返しったらお返し! お店からお顧客とくいまでそのままつけて返すがいいのさ。
なんぼなんでも見ず知らずの自分にこう叮嚀ていねいな世話を焼くのはおかしい。ことによると彼奴あいつ詐欺師かたりかも知れない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仕事は、浅草のを除いていずれも家庭荒はとがりあらし(鳩狩?)が主で、しかも、ほかの脅迫ぱくり誘拐かたり見たように少数の黒人くろうとの腕揃いではない。団結も固くなければ、仕事もチャチなのがあるという。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
大伴大連室屋の子かたりが夷種の軍隊たる佐伯部の長となり、佐伯宿禰の家を起したからとてあえて不思議はないのである。
奥州における御館藤原氏 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
騙局かたりです、失敬な。夫人おくさん巡査を呼びましょう。」と愛々しき眼に角立つれば
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そういう者が騙拐かたりだ。」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皆一種の騙者かたりであることがわかった。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
一方で家の爲といふのをたてにすれば、一方では個人主義しゆぎ振廻ふりまはす。軈がては親は子に對つて、不孝ふかうなるやくざ者とのゝしる、子は親に對つて、無慈悲じひかたりだとどく吐く。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
底のかたをもみるをえたりき、こはたふときみかど使者つかひなる誤りなき正義がその世に名をしるせる驅者かたり等を罰する處なり 五五—五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)