“いつわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
49.1%
28.6%
11.2%
逸話7.1%
1.3%
1.3%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういったこの男の言葉は、いつわりがなかった。自分でげこんで置いて、自分で助けたんだから、礼をされる筋合すじあいはない筈だった。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
びず怒らずいつわらず、しかも鷹揚おうように食品定価の差等について説明する、一方ではあっさりとタオルの手落ちを謝しているようであった。
三斜晶系 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
計介苦痛を忍びながら、いつわって臆病な百姓の風を装ったので、幸い間諜の疑いは晴らされたが、その代り人夫として酷使される事になった。
田原坂合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
とお祖父さんは口癖のように仰有おっしゃる。家のものばかりでなく、碁の客謡曲うたいの相手までが三度に一度は愛孫の逸話いつわを拝聴させられる。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
(これもあるいはいつわりかもしれない)
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「その枕の効能にいつわりが無かったら、何んなと望みに任せて進ぜよう。金でも、道具でも——」
もって励まし、江南へ放って、呉軍へいつわって降伏させます。——敵はかならず信じます。なぜなら、丞相に殺された蔡瑁の甥ですから
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僭称せんしょうの賊、欺瞞ぎまんの悪兵。故にこそ、大いに逆賊操を討つべきではないか。彼がいつわりの名分を立てるなら、われらはもって朝命を汚す暴賊を討つべしとなし、膺懲ようちょうの大義を
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恰も此の辺は沼沢地であり、走るに不便だ。追うこと暫くして、其の間半町、まさに賊将を獲んとした時、賊将上山かみやま六郎左衛門、いつわって師直の身代りになって討死した。
四条畷の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「そうですよ、あの連中が一流どころですよ」と、せっかちになって先の男は事実をいつわるのだった。「今度鮮人ヨボ連中の作品が内地語で翻訳されたのを読んで私は先ず安心しましたね。 ...
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)