“詐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いつわ66.7%
いつは7.3%
かた5.2%
いつ4.2%
いつわり4.2%
あざむ3.1%
いつはり2.1%
うそ2.1%
2.1%
だま2.1%
つく1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はもう一度かの僧を呼び止めて、元禄武士に対する彼のいつわらざる意見を問いただして見ようかと思ったが、彼の迷惑を察してやめた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
身をも心をも打委うちまかせていつはることを知らざりし恋人の、忽ち敵の如くおのれそむきて、むなしく他人に嫁するを見たる貫一が心は更に如何いかなりけん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「天子の尊きは、誰も知る。故に、天子の御名をかたるものは、人ゆるさず、地ゆるさず、天ゆるさず。孫権もまたゆるさぬ。人中第一の悪人曹操、首をさしのべよ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はもう一度かの僧を呼び止めて、元禄武士に対する彼のいつわらざる意見を問いただしてみようかと思ったが、彼の迷惑を察してめた。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人これを見て野干既に獲物をち去ったとおもい退いた後、ゆっくり隠し置いた物を取り出し食うなど狡智百出す、故に仏教またアラビア譚等多くそのいつわり多きを述べ
なお心耳しんじのある名将となると、いかに上手じょうずが吹いても、敵の看破みやぶり、虚実を察し、鋭鈍えいどんはかり、決して、その耳をあざむくことはできないという。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されども、彼は未だ恋の甘きを知らざるがゆゑに、心狭くもこの面白き世に偏屈のとびらを閉ぢて、いつはりと軽薄と利欲との外なる楽あるをさとらざるならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「これで、ますます兄さんのうそが知れるのですよ。もし、自分で心にじることがなくて、だれが二つに分けたものをまた人にやるものですか。」
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
なお心耳しんじのある名将となると、いかに上手じょうずが吹いても、敵の看破みやぶり、虚実を察し、鋭鈍えいどんはかり、決して、その耳をあざむくことはできないという。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家の生活がどうなろうと、母姉妹おやきょうだいをどうだまそうと、乗りかかったこの船を降りて、なんの生き甲斐があるものか。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
母親の言ったつくりごとを真に受けて、あの十二月の初め寒い日に、山科やましな在所ざいしょという在所を、一日重い土産物みやげものなどを両手にさげて探し廻ったこと、それから去年の暮のしかも二十九日に押し迫って
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)