“騙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だま65.4%
かた22.4%
たばか2.6%
たば2.4%
かたり2.0%
たぶら2.0%
あざむ0.8%
たぶらか0.4%
だまか0.2%
ゆす0.2%
いつわ0.2%
かたる0.2%
たぶ0.2%
たら0.2%
0.2%
だまさ0.2%
へん0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世にも稀な大悪人、天下をだまし取ろうとした大かたり、こんな恐ろしい名が、きっとあの男に永く永くつきまとうに違いございませぬ。
殺された天一坊 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
あの公事に敗れた私は、あの子の母親だと人々に信じられなかったのみか、お上をかたる大嘘つきという事に極められてしまいました。
殺された天一坊 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
……ぜひなく村から酒を買ってきて、ここで待つこと今日で四日目というわけだ。しかしどうやらこの勝負は、まんまと、こっちが一ぱいたばかられたらしい
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ええ、たばかられた」と一角は、われとわが不覚をののしりながら、地団駄をふんで、ふたたび相手のかげを血眼で探しはじめた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『ええ、どうにでもなつてしまへ畜生、肩揚のあるかたり娘、畑の中であのとき何を出しやがつた、袂のなかから脱脂綿なんか出しやがつて』
味瓜畑 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
「おお賭け試合の勝ちビラと見えて、いろいろな剣客の名が見えるが、どうせ衆愚をたぶらかす山師の客引き、あてになるものではござるまい」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日吉は、うまく彼をあざむいたつもりでいたが、十兵衛の叡智えいちの眼は、何もかもぬいていることを、明らかに示していた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうして、まだまだこの子には、小さい折の面影がたんとある。そなたも、上手にたぶらかされぬがよい」
日本名婦伝:太閤夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九「ウム、植木屋の九兵衞だ、おめえはまア死なねえでもい……え、和尚さんわっちは、千駄木の植木屋の九兵衞と云って、此の粂之助をだまかしに行った悪党でごぜえます」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
體能ていよくゆすり取んと工夫くふうにこそは及びけれ此油屋五兵衞方の番頭久兵衞と云ふは元上總無宿の破落者ならずものなりしが其後東海道筋にて護摩灰ごまのはひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もって励まし、江南へ放って、呉軍へいつわって降伏させます。——敵はかならず信じます。なぜなら、丞相に殺された蔡瑁の甥ですから
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はつたと白眼にらみおのれ何者なれば殺生禁斷せつしやうきんだんの場所をけがあまつさへ徳川徳太郎などと御名をかたる不屆者ふとゞきもの屹度きつと罪科ざいくわおこなふべきなれども此度このたび格別かくべつ慈悲じひを以て免しつかはす以後見當みあたり候はゞ決してゆるさゞるなり屹度きつと相愼あひつゝしみ心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
日ごろ睾嚢こうのう八畳敷を誇り大風呂敷をひろげて人をたぶらかしてゐた狸公も、いささか国家のために尽すところの一役を与へられゝば幸甚であると、故郷の村からつい二三日前手紙があつたばかりだ。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
かく語れる時一の鬼その鞭をあげてこれを打ちいひけるは、去れ判人ぜげん、こゝにはたらすべき女なし 六四—六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「畜生! ましやがったな」理学士が咆えた。
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
今の若い女子にこれ位の自負もないのは口惜しゅう御座います。光源氏の恋人になろうと申すのと、つたない絵や音楽にだまされて、沢山の女学生や夫人までがたやす電小僧いなずまこぞうの情婦になるのとは大変な相違です。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
駭然がいぜんとして夢かうつつ狐子こしへんせらるるなからむやと思えども、なお勇気をふるいてすすむに、答えし男急にびとめて、いずかたへ行くやと云う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)