いな)” の例文
お前もういなしますか? ああ恋人よ、殿御よ、わがつまよ、恋人よ! きつと毎日消息たよりして下され。これ一時も百日なれば、一分も百日ぢや。
文章その他 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
ヂュリ さ、はやいなしゃれ、わしいなぬほどに。……こりゃなんぢゃ? 戀人こひゞとにぎりゃったはさかづきか? さてはどくんで非業ひごふ最期さいごをおやったのぢゃな。
こはこのままにいなし難しと、泰助は亭主に打向い
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お前もういなしますか? ああ恋人よ、殿御よ、わがつまよ、恋人よ! きつと毎日消息たよりして下され。これ、一時も百日なれば、一分も百日ぢや。
文章その他 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
ヂュリ (樓上より)おまへもういなしますか? あゝ、戀人こひびとよ、殿御とのごよ、わがつまよ、戀人こひびとよ! きっと毎日まいにち消息たよりしてくだされ。これ、一ときも百にちなれば、一ぷんも百にちぢゃ。
ヂュリ いなうとや? はまだきゃせぬのに。こはがってござるおまへみゝきこえたは雲雀ひばりではなうてナイチンゲールであったもの。夜毎よごと彼處あそこ柘榴じゃくろて、あのやうにさへずりをる。