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置去
ここまで身は
遁れ来にけれど、なかなか心安からで、
両人を
置去に
為し跡は
如何、又我が
為んやうは
如何など、彼は打惑へり。
その時身重であったその女が、作を
産おとしてから程なく、子供を弟の家に
置去に、どこともなく旅へ出て行った。
いゝよ
親方からやかましく
言つて
來たら
其時の
事、
可愛想に
足が
痛くて
歩かれないと
言ふと
朋輩の
意地惡が
置去りに
捨てゝ
行つたと
言ふ
詰らねえ
事を腹ア立てやアがつて、たつた一人の血を分けた兄の
己を
置去りにしやアがつてよ、
是れと
云ふのも
己の
眼が悪いばつかりだ、あゝ
口惜しい