“為”のいろいろな読み方と例文
旧字:爲
読み方割合
な35.1%
ため17.7%
し13.5%
た11.0%
す8.3%
せ4.0%
さ2.4%
ナ1.0%
つく0.9%
シ0.6%
なさ0.5%
なす0.5%
まね0.5%
せゐ0.5%
や0.4%
い0.3%
せい0.3%
なし0.3%
なっ0.3%
おさ0.2%
おも0.2%
しょ0.2%
ゐ0.2%
タ0.2%
なり0.1%
いつわり0.1%
しよ0.1%
する0.1%
せえ0.1%
せん0.1%
たり0.1%
なつ0.1%
やつ0.1%
わざ0.1%
をさ0.1%
タメ0.1%
ツク0.1%
フォーワ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが豊富に残存しているのを見るにつけても、三つのことが直ちに為(な)されねばならぬことを痛感致します。第一は調査であります。
北支の民芸(放送講演) (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
一年と二年とはどうやら無事で、算盤(そろばん)の下手な担任教師が斉藤平大の通信簿の点数の勘定を間違った為(ため)に首尾よく卒業いたしました。
革トランク (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
お三輪はあの母の晩年に言ったこと為(し)たことなぞをいろいろと思い出すようになったほど、自分も同じように年をとったかと思った。
食堂 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
母親のお豊(とよ)は長吉(ちやうきち)が初袷(はつあはせ)の薄着(うすぎ)をしたまゝ、千束町(せんぞくまち)近辺(きんぺん)の出水(でみづ)の混雑を見にと夕方(ゆふがた)から夜おそくまで、泥水(どろみづ)の中を歩き𢌞(まは)つた為(た)めに
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
読んでゐるなんて、とんでもない話だ、為(す)る事は後から/\と、いくらでもありますつて坊やそうお云ひ。あんまりお呑気がすぎますよ
惑ひ (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
かくなん思ふと言ひければ、放免然らばさも為(せ)よと云ひければ、男家に死人を持て行きたれば、妻此れを見て其れは何ぞと云へば
放免考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
一つ間違へば命も失はなければならん、不具(かたは)にも為(さ)れなければならん、阿父さんの身の上を考へると、私は夜も寝られんのですよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
猶ホ黄道士ガ一叱スレバ頑石活シテ群羊ト為(ナ)ルガ如シ。吾レ又案ヲ拍チ筆ヲ按シテ姦人狡児ヲ懲罰セント一大呼スレバ、汝秩然トシテ其ノ行伍ヲ整列ス。
祭活字子文 (新字旧仮名) / 成島柳北(著)
孔子……春秋を為(つく)るに至りては、筆すべきは則ち筆し削るべきは則ち削り、子夏の徒も一辞を賛(たす)くること能(あた)わず。弟子、春秋を受く。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
義経記(ギケイキ)は、盲僧の手にかゝつて、一種の念仏式説経となり、瞽巫女(ゴゼ)や歌占巫女の霊感は、曾我物語を為(シ)あげて、まづ関の東で、地盤を固めた。
其不義惨酷、往古ノ夷狄ト雖ドモ為(なさ)ザル所ニテ、豈(あに)文明ノ世ニ出テ人ノ上ニ立ツ者ノ挙動ナランヤ。
○神異記(しんいき)○洞冥記(とうめいき)にも夜光珠(やくわうしゆ)の㕝見えたれども孟浪(うきたること)に属(しよく)す。古今注(ここんちゆう)にはすぐれて大なる鯨(くぢら)の眼(め)は夜光珠を為(なす)といへり。
宮は俯(うつむ)きて唇を咬みぬ。母は聞かざる為(まね)して、折しも啼(な)ける鶯(うぐひす)の木(こ)の間(ま)を窺(うかが)へり。貫一はこの体(てい)を見て更に嗤笑(あざわら)ひつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さうして先刻(さつき)と同じやうな鹿爪らしい顔付で、寒い為(せゐ)かいくらか鼻頭をあかくして、——尚も家路とは反対な同じ道をヒヨロ/\と歩いてゐた。
失題 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その日に自分が為(や)るだけの務めをしてしまってから、適宜(いいほど)の労働(ほねおり)をして、湯に浴(はい)って、それから晩酌に一盃(いっぱい)飲(や)ると、同じ酒でも味が異(ちが)うようだ。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
真(しん)耶(か)、偽(ぎ)耶(か)、太祖の失か、失にあらざるか、斉泰の為(い)か、為にあらざる耶(か)、将又(はたまた)斉泰、遺詔に托して諸王の入京会葬を遏(とど)めざる能(あた)わざるの勢の存せしか、非耶(か)。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その上に御面相の振わないのを自覚していた為(せい)であろうが、男と交際していてもお勢のような coquettish な容子は少しもなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
地気天に上騰(のぼり)形(かたち)を為(なし)て雨○雪○霰(あられ)○霙(みぞれ)○雹(ひよう)となれども、温気(あたゝかなるき)をうくれば水となる。水は地の全体(ぜんたい)なれば元(もと)の地に皈(かへる)なり。
夫とも私が泣いて居るから信切(しんせつ)に夫を慰めようとて来て下さッたのかも知ませんが、今と為(なっ)ては恐しくも有ません、首切台は知て居ます
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
子曰く、国を為(おさ)むるには礼を以てし、(礼は譲を貴ぶ、而(しこ)うして)その言譲ならず、是の故に之を哂えり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
季子然(きしぜん)問う、仲由と冉求(ぜんきゅう)とは大臣(だいしん)と謂うべきか。子曰く、吾子を以て異(他事)を問うならんと為(おも)いしが、曾(さあら)で由と求とのことをしも問えるか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そこで志山林に在り、居宅を営まず、などと云われれば、大層好いようだが、実は為(しょ)うこと無しの借家住いで、長い間の朝夕(ちょうせき)を上東門の人の家に暮していた。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
虱(しらみ)を捫(ひね)る事一万疋に及びし時酒屋(さかや)の厮童(こぞう)が「キンライ」節(ふし)を聞いて豁然(くわつぜん)大悟(たいご)し、茲に椽大(えんだい)の椎実筆(しひのみふで)を揮(ふるつ)て洽(あまね)く衆生(しゆじやう)の為(ため)に為(ゐ)文学者(ぶんがくしや)経(きやう)を説解(せつかい)せんとす。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵、三文字屋金平(著)
女鳥(メトリ)の わがおほきみの織(オロ)す機。誰(タ)が為(タ)ねろかも——、御存じ及びでおざりませうなう。昔、かう、機殿(ハタドノ)の牕(マド)からのぞきこうで、問はれたお方様がおざりましたつけ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「然処(しかるところ)私兼て聞及居候一事有之、辞安の人と為(なり)に疑を懐居(いだきをり)候。其辺の事既に御考証御論評相成居候哉不存候へ共、左に概略致記載入御覧候。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いや、それよりも二人の愛は、どちらが本当の愛なのだろう。野村の愛が幻か。大井の愛が利己心か。それとも両方がそれぞれの意味で、やはり為(いつわり)のない愛だろうか。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
時おりは為(しよ)う事なさの退屈しのぎから、茶器弄りをさえさせるようになったのだった。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
やれ総助の処の末の娘が段々色気が付いて来たのと下らぬ噂を為(する)ばかりならまだ好いが、若者と若者との間にその娘に就いての鞘当(さやあて)が始まる、口論が始まる、喧嘩が始まる、皿が飛ぶ
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ばか言ってらア、死ぬる奴(やつ)は勝手に死ぬるんだ、こっちの為(せえ)じゃアねエ。踏切の八百屋で顔が売れてるのを
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
綾子はこれを見て見ぬふり、黙許して咎(とが)めざれば、召使のものは為(せん)術(すべ)なく、お丹の命令に唯々諾々(いいだくだく)。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不レ達二上聞(じょうぶん)一仁者(は)、於二御当家一、為(たり)二先例之御定法一、至二養父歿後一者、縦兼約(たといけんやく)之次第自然雖レ令せしむるといえども二披露一、不レ被レ立二其養子一也、病死跡同前也
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
「けれども、慣(な)れつこに為(なつ)てるんだから、驚(おど)ろきやしません」と云つて、代助を見て淋(さみ)しい笑(わら)ひ方(かた)をした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
親方がのつそり汝(きさま)為(やつ)て見ろよと譲つて呉れゝば好いけれどものうとの馬鹿に虫の好い答へ、ハヽヽ憶ひ出しても、心配相に大真面目くさく云つた其面が可笑くて堪りませぬ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
明道(めいどう)の言を罵(ののし)って、豈(あに)道学の君子の為(わざ)ならんやと云(い)い、明道の執見(しっけん)僻説(へきせつ)、委巷(いこう)の曲士の若(ごと)し、誠に咲(わら)う可き也、と云い、明道何ぞ乃(すなわ)ち自ら苦(くるし)むこと此(かく)の如くなるや、と云い、伊川(いせん)の言(げん)を評しては
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
破産不為家(産を破り家を為(をさ)めず)
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私一人ニて五百人や七百人の人お引て、天下の御為(タメ)するより廿四万石を引て、天下国家のの(ママ)御為致すが甚よろしく、おそれながらこれらの所ニハ、乙様の御心ニハ少し心がおよぶまいかと存候。
また「蓬善(ヨ)ク転旋シ、直達スル者ニ非ザルナリ」とも、また「飛蓬ハ飄風ニ遇テ行ク、蓋シ蓬ニハ利転ノ象アリ、故ニ古ヘハ転蓬ヲ観テ車ヲ為(ツク)ルヲ知ル」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と云う考えだから、私の主義は思想(シンキング)の為(フォーワ)の思想(シンキング)でもなけりゃ芸術(アート)の為(フォーワ)の芸術(アート)でもなく、また科学(サイアンス)の為(フォーワ)の科学(サイアンス)でもない。人生の為の思想、人生の為の芸術、将(は)た人生の為の科学なのだ。
私は懐疑派だ (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)