“ため”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タメ
語句割合
34.1%
19.9%
10.5%
9.8%
8.9%
3.7%
利益2.4%
1.9%
猶予1.4%
躊躇1.2%
0.9%
0.7%
0.5%
0.3%
0.3%
教訓0.3%
0.3%
0.3%
試験0.3%
多米0.2%
汲桶0.2%
0.2%
有益0.2%
0.2%
猶豫0.2%
0.2%
經驗0.2%
0.2%
試驗0.2%
貯蔵0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朕カ在廷ざいていノ大臣ハ朕カためニ此ノ憲法ヲ施行スルノせめニ任スヘク朕カ現在及将来ノ臣民ハ此ノ憲法ニ対シ永遠ニ従順じゅうじゅんノ義務ヲ負フヘシ 
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
親方は、一足はなれて、ほんとうにわたしの言ったとおりであるか、ためしてみようとした。かれは両手をさしべてへいにさわった。
「そんな惡戯いたづらは今に始まつたことぢやないよ。命を取ると言つた奴が、昔から本當に命を取つたためしは無い。放つて置くが宜い」
未だ浮世うきよれぬ御身なれば、思ひ煩らひ給ふもことわりなれども、六十路むそぢに近き此の老婆、いかでためしき事を申すべき、聞分け給ひしかや
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
すると、二本の腕が静にそっと、まるで参木の力をためすがように、後から彼の脇腹へ廻って来た。彼の身体は欄干の上へ浮き上った。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
坊主ばうずめうな事をふて、人の見てまいでは物がはれないなんて、全体ぜんたいアノ坊主ばうず大変たいへんけちかねためやつだとふ事を聞いてるが
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
歌子は、惣七の利益ためになることなので、すぐ引き受けたのだったが、もうひとり助勢を求めて、大槻藩の麦田一八郎の名をあげたのだった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「それが、鍵盤キイの中央から見ますと、ちょうどその真上でございましたわ」と伸子はためらわずに、自制のある調子で答えた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と見ると、左側から猶予ためらわないで、真中まんなかと寄って、一帆に肩を並べたのである。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だから悲劇のみ芸術である」なぞと言はれるのもいささか心外であるために、先づ、何の躊躇ためらう所もなく此の厄介な「芸術」の二文字を語彙の中から抹殺して(アア、清々した!)
FARCE に就て (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
長煙管で煙草を一ぷくって、左の手で袖口を掴みひらき、着ている大島の男縞が似合うか似合わないかためしてみる様子をしたのち
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「彼女を少しためしてみよう。」と私は思つた。「こんなに全然冷淡でゐられるなんて考へられない。」
それには長い年月の間、身にみついている国の方の習慣からしてためて掛らねば成らなかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
着る物も着せねえで人を困らせても構わず無闇に金をためるのを吝嗇けちと云ってごくいけねえのだ、それから自分が一ぺい食う物を半分食って、れは欲しい
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ですから新しさがないのは当然ですが、さりとて古さへのためらいや、疑いもないので、必要な雑器として坦々たんたんと作っているのです。
多々良の雑器 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
(茲でまた一言お断りして置かねばならないのは、つひぞ我々の口の端に、取るに足らないやうな話題がのぼつた例しのないことで、元来わしは礼節に適つた、所謂、面白くて教訓ためになるやうな話がいつも好きなのぢや。)
病気の経過だの、物入りだのを、輪に輪をかけて話して、仕舞いにはきっと、自分のためになる方へと落して行った。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
長さ一尺五寸幅一尺ほどな青表紙の手帳を約十冊ばかりならべて、先生はまがなすきがな、紙片かみぎれに書いた文句をこの青表紙の中へ書き込んでは、吝坊けちんぼうが穴のいたぜにためるように
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
非人で試験ためしてみるつもりが、正反対ひっちゃらこっちに非人から試験された訳で……。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
弟橘の豐日とよひの命、池の邊の宮にましまして、三歳天の下治らしめしき。この天皇、稻目いなめの大臣が女、意富藝多志おほぎたし比賣に娶ひて、生みませる御子、多米ための王一柱。
次に多米ための王、次に櫻井のゆみはりの王八柱。
彼は、仙吉があっけにとられて、まだ返事をしないうちに、もう売場の横の棚にふせてあった汲桶ためをおろし、それをさげて、いっさんに台所の方に走って行った。
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
汲桶ためをさげて井戸端の方に走って行ったのを見ると、さすがにちょっと驚いたふうでもあったが、そのまま腰を落ちつけてしまい、それからは、横目でじろじろ店の方を睨んだり
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と、むすめはためためをもらしました。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ファラデーは鉄瓶とか、ロウソクとかいうような小供の知っている物の話をし、前に考えもつかなかったような面白いことを述べて、それから終りには何か有益ためになる話をする。
鍜出先日より田沼君へ差出置追て御ためさせ被下筈に御座候且去秋初佐竹候よりお頼にて羽州秋田へ參候處國中産物勿論多くて經濟共被相頼凡一ヶ年二萬兩斗の國益御座候につき召座御褒美金百兩御自畫の雲龍など拜領仕り猶彼地にて地方見取にて二百石下さる仰尤も御合力知行の由御沙汰御座候荒野多所により三千石五千石にも當り候場所御座候然共お出入知行にても知行と申せば家來の樣に御座候故お斷り申上候處一ヶ年銀百枚づゝ下被給由被仰渡候先小遣の程には
いへあり、つまあり、眷屬けんぞくあり、いろがあつて、金持かねもちで、大阪おほさかひとのみに、停車場前ステエシヨンまへを、さつ/\と、自動車じどうしやくるま歩行あるくのさへ電車でんしやよりはやいまで、猶豫ためらはず、十字じふじ八方はつぱうさばける人數にんず
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
りてまぐはひして嫡妻むかひめとす。ここにその孃子、常に種種のためものを設けて、恆にそのひこぢに食はしめき。
『ナニへびだ、へびだ!』と繰返くりかへしましたがはとは、以前まへよりも餘程よほどやさしく、其上そのうへ可哀相かあいさう歔欷すゝりなきまでして、『わたし種々いろ/\經驗ためしたが、へび似寄によつたものはほかなにもない!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
七四 在家も亦出家も「此れ正に我がために造られたり」とおもひ、「諸の所作と非所作の中に於ける何事も實に我が隨意たるべし」とおもへる人あり、此れ愚者の思量する所
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私はアデェルを試驗ためしてみたのですよ、そしてあなたがあの子では隨分骨を折つてゐて下さつたことがわかりました。
部落コホンの土人は想像したより彼らに敵意を示さなかった。貯蔵ためていた食料を取り出して来て惜し気もなく彼らと交換した。そして一行を歓待して土人流の宴会を開催ひらいてもくれた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)