“貯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たくわ42.4%
たくは19.8%
19.8%
たま5.8%
たくはへ4.1%
たく2.3%
たくわえ2.3%
ため1.2%
ちよ0.6%
たば0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家を堅くしたと言われる祖父が先代から身上しんしょうを受取る時には、銭箱に百文と、米蔵に二俵のたくわえしか無かった。味噌蔵も空であった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
井戸は小屋をかけかはやは雪中其物をになはしむべきそなへをなす。雪中には一てん野菜やさいもなければ家内かない人数にんずにしたがひて、雪中の食料しよくれうたくはふ。
そうして亜米利加の若い男や女は、そんな遊びがしたいばっかりに、一生懸命になって働らいて、お金をめているんですってさあ。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
役人を已めてから、実業界に這入はいって、何かかにかしているうちに、自然と金がたまって、この十四五年来は大分だいぶんの財産家になった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此近在の農人のうにんおのれが田地のうちに病鶴やめるつるありてにいたらんとするを見つけ、たくはへたる人参にんじんにて鶴の病をやしなひしに、日あらずやまひいえて飛去りけり。
はまぐりの如き貝殼かいがらは自然に皿形さらがたを成し、且つ相對あひたいする者二枚を合する時ふたと身との部さへそなはるが故に物をたくふる器とするにてきしたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
五百は東京に来てから早く一戸を構えたいと思っていたが、現金のたくわえは殆ど尽きていたので、奈何いかんともすることが出来なかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
入れ百八十兩の金子を殘らずもどしければ九助はお里を是迄の縁と斷念あきらめ殊に伯父の娘なればきびしき事も成難しと千しんしてためたる金の中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そして、月々きまつてもらふお小つかひをすこしづゝ郵便ゆうびんちよ金にしはじめ、いつも母がくれるお中げんお歳の金も今までのやうに無駄むたには使つかはないことにした。
どうしてたばっておけますかい? 地所は狭いし、百姓は怠け者で、働くことを嫌って居酒屋へ行くことばっかり考えてけつかる……これじゃあ悪くすると、今にこの年齢としで物乞いを
林「其の時使ったのかって置きたいと思って糠袋のかぶくろをあけて、ちゃんと天日てんぴにかけて、乾かして紙袋かんぶくろに入れて貯っておいて、炊立たきたての飯の上へかけてうだ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
少しずつの貰い物もある、処が小遣や着る物は皆私に預けて少しも無駄遣いはせんで、私の手許に些少ちっとは預りもあり、私も永く使った事だから、給金の心得でけて置いた金も有るじゃ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)