“病”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やまい36.9%
27.4%
やまひ11.7%
やま4.3%
わずら3.8%
やみ3.1%
わづら2.5%
わず1.8%
びやう1.3%
やめえ0.9%
やめ0.9%
びょう0.7%
なや0.7%
いたつき0.4%
へい0.4%
はなはだ0.2%
いた0.2%
いたづき0.2%
くせ0.2%
べう0.2%
みち0.2%
やつ0.2%
やみつき0.2%
やむ0.2%
わずらい0.2%
わづ0.2%
わづらひ0.2%
わる0.2%
マニア0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お縫は、つとめて、ほほ笑みを作り、どうして、久しぶりの良人を慰めようか、自分も、楽しもうか、そぞろ、やまいあついのも忘れて
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初更しよかういたるや、めるつまなよやかにきて、粉黛ふんたい盛粧せいしやう都雅とがきはめ、女婢こしもとをしてくだん駿馬しゆんめ引出ひきいださせ、くらきて階前かいぜんより飜然ひらりる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それといふのが、時節柄じせつがらあつさのため、可恐おそろしわるやまひ流行はやつて、さきとほつたつじなどといふむらは、から一めん石灰いしばひだらけぢやあるまいか。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たとえば療法りょうほうにも信仰しんこうだの加持祈祷かじきとうだのを混合する。もちろん病気によってはいわゆるやまいもあるから、心の持ちようでなおる病気もあろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
小さい時からも病弱であったし、十七の時にわずらった脊椎せきついカリエスが今はかたまっているとはいえ、八重はまだコルセットをはめている。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
つひには元禄七年甲戊十月十二日「たびやみゆめ枯埜かれのをかけめぐる」の一句をのこして浪花の花屋が旅囱りよさう客死かくしせり。是挙世きよせいの知る処なり。
滝は、彼等の誰とも親しくなつてゐたが、彼等の方言が余りに滑らかで、極限されてゐたので、心をわづらはされることがなかつた。
山を越えて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
こんなバラックでわずらっては、さぞ心細かったことだろう。可哀そうに。……お前も体を気を付けなよ。え、不養生をしちゃ駄目だぜ。
或る別れ (新字新仮名) / 北尾亀男(著)
富木どきどのの御物おんものがたり候は、このはわ(母)のなげきのなかに、りんずう(臨終りんじう)のよくをはせしと、あまがよくあたり、かんびやうせしことのうれしさ
わしは矢切の婆アでございます、今度こんたびは又飛んだ行違ゆきちげえから伊之助さんがえれえやめえになったと云うは、私どもで怨んでるという訳なんで
天地呼吸こきふして万物ばんぶつ生育そだつる也。天地の呼吸こきふつねうしなふ時は暑寒あつささむさ時におうぜず、大風大雨其余そのよさま/″\の天へんあるは天地のやめる也。天に九ツのだんあり、これを九天きうてんといふ。
だれからかねえでも、おいらの見透みとおしだて。——人間にんげんは、四百四びょううつわだというが、しげさん、おめえのやまいは、べつあつらえかもれねえの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「像の数を盛んに殖さないと吾等の市の繁栄に関はるばかりでなく、就職難になやんでゐる若者達の救ひ道が開けないからな。」
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
勿論もちろん、彼等とても一代の名医たち、中には浪路のいたつきが、秘密な気苦労から出たものであろう位なことは、て取ったものもあったのであろうものの、うっかりした事のいい切れぬ人達のこととて
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
露伴子ろはんしはその著當世外道げだうの面に於いて、柔弱者の口をりて我に戲れていはく。鴎外は技術論者にして、たゞ學校教師たるに適すと。是言このげんわがへいあたれり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「子やまいはなはだし」の章と並べているのも変であるし、顔淵の語にも痛切に響くものがない。用心して読むべき個所と思われる。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ふせたる程の腫物しゆもつ出來ていたむこと甚だしく自由には起居たちゐも成ざればお花は又もやおどろきて以前の醫者をよびて見するに此度は醫師もかうべを傾け是は何共名付なづけ難き腫物しゆもつなり何にもせよ口を明て毒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かきにごすうみいたづき
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
夫人がおりを見て掃除に行くと、『あなた、いつも掃除、掃除、掃除。あなたの悪いくせです』
その後もない十二年の歳のあきに、わたしは三つ時分からの持べう喘息ぜんそくに新しい療法れうほうはつ見されたといふので、母とともにはる/″\上けうしたが
だがお米の平常へいぜいを思うと、血のみちを起こして泣いたり、わがままをいって飛びだしたり、平気で帰ったりすることは、阿波にいた頃からありがちで、それに、こんな手紙をよこして
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叔母さん、この肺病というやつばかりは恐ろしいもんですね、叔母さんもいくらもご存じでしょう、さいの病気が夫に伝染して一家総だおれになるはよくあるためしです
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
見物けんぶつあれと無理にすゝむる故毎度のすゝ然々さう/\ことわるも氣の毒と思ひ或日あるひ夕暮ゆふぐれより兩人同道にて二丁町へ到り其處此處そこここと見物して行歩あるく中常盤屋と書し暖簾のれんの下りし格子かうしの中におときといふ女の居りしが文藏不※ふと恍惚みとれさまたゝずみける佐五郎はやくも見付みつけなにか文藏に私語さゝやき其家へ上りしがやみつきにて文藏は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
黙翁は老いてやむに至って、福山氏に嫁した寿美を以て、善庵にじつを告げさせ、本姓に復することを勧めた。しかし善庵は黙翁の撫育ぶいくの恩に感じてうけがわず、黙翁もまた強いて言わなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然し定基は何彼なにかと尋ねると、いずれ五位六位ほどの妻であろうか、夫の長いわずらいの末か、或は何様いうかの事情の果にいたく窮乏して、如何ともし難くなって
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「大野町の大野屋といふ材木商だ、そんときはお前のお母はわづらつて臥てゐた、さうだな三年くらゐ臥てゐただらう。」
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
「えい、何しろ長い間のわづらひやさかい、大変弱つてござるわいね。まあ看病のお陰で今まで……」と一人が言つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
目のわるなのであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
友人はこれを聴いて、君助は孤独の寂しさから、少女マニアにかかつて、どの女も処女だと思ひ込むのだといつたが、君助はそれでもいゝ、結局男の望む理想の女はさうした女なのだと言ひ放つた。
小町の芍薬 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)